魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

マメハダカ

2022年10月28日 11時18分44秒 | 魚紹介

今日は久しぶりの魚。ハダカイワシ目・ハダカイワシ科・トミハダカ属のマメハダカ。2017年の早春以来の登場である。

以前本種を紹介した時に「トミハダカ属の魚は日本近海に11種ほどが知られているが、なぜか私はこのマメハダカしか出会ったことがない」と書いた。残念ながら今でも、まだこの属の魚はマメハダカしか見たことがない。ただし、トンガリハダカ属をトミハダカ属のなかに含める考えがある。私はトンガリハダカ属のミカドハダカにも今年出会っている。

マメハダカはトミハダカに似ているが、前部臀鰭発光器(AOa)の2番目のものと3番目のものがほかのAOaよりも高い位置にあることで見分けられる。トミハダカではAOaの2番目と3番目はほかのAOaと同じくらいの高さにある。似た特徴を有するものに、ホソマメハダカという種がいるが、ホソマメハダカは体が細長いので本種と見分けられる。また背鰭および胸鰭の軟条数にも違いはあるがこれらの数値はどちらもかぶることがあるので注意しなければならない。しかしこの個体は冷凍されていないので、発光器が青く光り輝き美しい。

マメハダカの分布域は案外広く、北海道から土佐湾までの太平洋岸、北太平洋に見られ、北太平洋の東側でもアラスカ州からカリフォルニアまで姿が見られるという。マメハダカには2010年も出会っているのだが、そのときは東北地方太平洋岸沖の個体であった。今回は駿河湾戸田を基地とする底曳網船団の「ヘンテコ深海魚便」の中に入っていたものである。北方性というわけでなく、温帯から亜寒帯まで広く生息する種といえるだろう。なおハダカイワシのほかの仲間がそうであるように、本種も昼間は深い海にいるが夜間は浅瀬に上がってくる。湾内であっても駿河湾は水深数1000mほどの場所もあるので生息できるようだ。おそらくプランクトンやサクラエビなど小型の甲殻類、稚魚などを捕食しているのだと思われる。

ハダカイワシ科の魚は高知県などではそこそこ重要な食用魚とされている。干して焼くのが一般的とされるが、今回はほかにも何種か魚がいたので、唐揚げにして食べた。ほかにもソコダラ類などを一緒に揚げて食したが、このマメハダカが最も美味だったようにおもう。

今回のマメハダカは「ヘンテコ深海魚便」青山沙織さんより。いつもありがとうございます。

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