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長年入手を切望してきた魚が我が家にやってきた。スズキ目・アオバダイ科のアオバダイという魚である。
名前に「タイ」と入るのだが、タイの仲間ではなく、アオバダイ科という魚になる。重厚な体で、ハタ科などのようにも見えるが、分類学的にはかなり離れている存在である。どうやらハタンポ科に近い存在とされるが、重厚な体からはそのように想像ができない。
日本産のアオバダイ科魚類は1属1種。山陰地方、宇和海、高知県、長崎県、鹿児島県などで獲れているようだが、あまり数は多くない珍魚である。幼魚は体側に縦線があり、スジアオバダイとも呼ばれて別種とされたことがあるようだ。世界で4種が知られているが、いずれも西太平洋と豪州近海にすみ、このアオバダイが最も広く分布しているらしい。なお、オーストラリアにはすべての種がみられるようだ。
ほとんど地味な色彩の魚だが、イトヒキアオバダイという種は以前に輸入されたことがある。背鰭・臀鰭の数本の軟条と尾鰭の鰭条が伸び美しく格好いい。エクスマス~ニューギニアにまで生息しているが、どこの個体が入ったのだろうか。
アオバダイの背鰭。背鰭に小さな黒い点があるのが特徴。背鰭は1基であり、テンジクダイの仲間とは異なる点である。体側の鱗は櫛鱗で、頭部の鱗は一部が大きいという特徴もある。
お刺身。身は白身で、かなり美味しい。写真ではうまく出ていないが、ピンクというより白っぽかった。なかなかみられない本種が高級魚というのもわかる味わいであった。いつもは神経締めなどされていて、なかなか高価なので手が出せない。しかしこの個体は比較的安価で購入できた。
今回のアオバダイも長崎県の印束商店 石田拓治さんより。いつも、ありがとうございます。
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