この間届いた魚。10年ぶりくらいに見たが、ぶろぐでは初登場の魚。タラ目・ソコダラ科・ネズミダラ属のネズミダラ。
ネズミダラ属は属学名をNezumiaというが、これは日本語の「ねずみ」からきているらしい。ネズミダラの標準和名もそうだろう。尾の部分が非常に長くのびているのをネズミに見立てたのだろうか。ネズミダラは腹鰭軟条が13以上あることが多く、ほかのネズミダラ属の種類の多くと見分けることができる。
ネズミダラと同様に多くの腹鰭軟条を有するものにソコダラがいる。しかしソコダラは頭部の形状や体側鱗の様子がネズミダラとは異なるようである。ただ残念なことにソコダラは相模湾産の標本をもとに1970年に新種記載されたものの、ホロタイプ以外に標本がいまだに得られていない希少種である。この個体はほかに入っていた数種のソコダラ類とともに唐揚げにして食べたが非常に美味であった。
日本産ネズミダラ属魚類はネズミダラ、ソコダラ、シノハラヒゲ、トミヤマヒゲ、ゴテンヒゲ、ヒゴソコダラ、2020年に新種記載されたカクレヒゲの7種が知られている。しかしネズミダラとヒゴソコダラを除き稀少な種である(ただしゴテンヒゲは日本近海ではまれであるというが、ほかの海域ではそれほど少ないわけでもないようだ)。またこの属のものとされたナンヨウダラおよびキヘリネズミダラはそれぞれ誤同定とされている。
今回のネズミダラは「ヘンテコ深海魚便」でお馴染み、青山沙織さんから。いつもありがとうございます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます