久しぶりの一色漁港の魚紹介です。アナゴ科のギンアナゴGnathophis nystromi nystromi (Jordan and Snyder)です。
三河一色で「長物」といえば、ウナギ(ニホンウナギ)でしょう。実は一色漁港の周辺にはウナギ養殖池が多数あり、鹿児島や、宮崎と並んでウナギの生産が盛んです。
一方漁港で水揚げされるウナギ目の魚は意外と少なく、マアナゴやゴテンアナゴくらいのもので、あとはあまり利用されていません。ギンアナゴも、投棄されてしまう魚のひとつです。
本種は、アナゴ科に属しています。アナゴ科の魚は、大きく3グループに分けられます。
●ホンメダマアナゴ亜科
体はやや太く、後鼻孔は眼中央よりも下方にある。上唇に沿うように溝がある。肛門前長は全長の41-51%のものが多い。日本からは2属4種が知られ、うち1種は、2亜種に分かれている。ゴテンアナゴなどはこの仲間。底曳網などで漁獲され、全ての種が食用となるが、産業的にあまり重要でない。
●クロアナゴ亜科
体はやや太く、後鼻孔は眼中央か、それよりも上方にある。上唇に沿うように溝があるものと、ないものがいる。肛門前長は全長の45%以下のことが多い。日本からは9属と15種が知られている。種類は多いが、産業的に重要なのはクロアナゴ、マアナゴくらいで、後はあまり大事にされていない。
●チンアナゴ亜科
体は著しく細長く、胸鰭はごく小さい、またはない。日本産は2属5種。ただし、このほかに、水中写真のみ報告がある種が1種いる。サンゴ礁の浅海の砂底にすみ、プランクトンなどを捕食する。漁獲されることはあまりないが、美しい色彩のものもあり、独特な生態とあわせ、観賞魚として、また水族館でよく飼育される。
このギンアナゴは、全長237mm、肛門前長60mm、上唇に溝があり、後鼻孔は眼の中央前にあります。さて、どの仲間でしょうか。
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