世界の海や川にはまだまだ不思議な魚がいっぱいいます。葉っぱの形をしているウナギの仲間の仔魚や、頭だけのような姿のマンボウ、たまに漂着して人々を驚かせる大型サメやリュウグウノツカイなど、奇怪、不思議、怪しい生物が世界中の学者の心をひきつけました。
セミホウボウDactyloptena orientalis (Cuvier)は今でも、分類学においてはまだまだ不思議の詰まった、魚類学者にとって悩ましく、また魅力的な魚といえるでしょう。
セミホウボウはかつて2008年10月6日のブログ記事http://pub.ne.jp/fishcollection/?entry_id=1697021#moreでアップしたのですが、横からの写真は、この記事が初となります。胸鰭が長く、まるでトビウオのようです。
名前に「ホウボウ」とあり、ホウボウに近い仲間と思いきや、実際は全く違う仲間です。頭部の側面には非常に大きな棘があり、さらに頭部がよろいのように硬いなどの特徴があります。この仲間は、従来は何の仲間かわかっていなかったのですが、現在ではスズキ目キツネアマダイ科の側系統群に入るのではないかという説も飛び交っています。ただしこれについてはまだまだ詳細な研究が必要と思われます。
以前は刺身でも食しましたが、今回はすべて唐揚げで頂きました。肉は白身で、普通に美味しく食べられました。注意しておきたいのは、内臓で、これはかなりにおいます。
●近況
今週の木曜日から暫く青森へと出かけます。弘前市という、青森の内陸部に有る場所です。実質的には3泊4日ということになりましょう。基本、学会なのですが、日曜日にどこかで竿を出してもよいかな、と思っていたりします。東北の美味しい魚についても、食する機会がありましたら、レポートしましょう。
水槽については、先日90cm水槽を購入しました。学会終了後は、これを準備したいと思っています。60cm水槽はマイペースではありますが、尾鷲や串本方面に出かけ、魚を採集したりということはやっております。
また、今月の11日には、浮遊性のハゼ、アケボノハゼNemateleotris decora Randall and Allenを新しく水槽にお迎えしました。現在は先住の、ハタタテハゼと一緒に暮らしていますが、状態は概ね良好のようです。浮遊性の餌を好んで捕食しています。
目立つと思うのですが不思議です。
ハタタテは浅場、アケボノは深場で見かけますが同じ水槽で飼えるんですね。
ただ底曳網で漁獲されたこの仲間は、鰭がぼろくなるのが多いのが、難点ですね。
ハタタテハゼもアケボノハゼも綺麗ですね。たしかに後者はやや深い場所に多いですが、自然の海でも一緒にいるケースがあるそうです。