先月末になりますが毎年恒例の四国遠征に。天候は3日間とも好天に恵まれ採集日和となりました。
いつもの潮だまり。タネギンポ、カエルウオ、シマギンポ、スジクモハゼなどの「いつメン」がお出迎えでした。潮だまりの「王」ことネズスズメダイやイチモンスズメダイもいましたが2種とも今回は採集して網に収めたりすることはかなわず。チョウチョウウオ科などの種類はもうある程度大きくなってこのプールからは巣立っていったみたいです。その後付近の潮だまりに大きなサンゴ岩を発見。そしてサンゴ岩の周辺に見覚えのある3本の白色線が見え・・・。
今年も出会えました、サザナミヤッコ。ただしサザナミヤッコの飼育は簡単ではなく、サンゴを食べられる可能性もあるのでお持ち帰りは断念。サザナミヤッコの奥に写っている魚はシマギンポ。このシマギンポは丈夫で飼いやすいのでお持ち帰り。
その後は近隣の漁港へ。漁港でぷかぷか浮いているところを採集しました。クロウミウマと思いきや、FacebookにアップしたところHirayama Sho氏よりオオウミウマではないか、とのこと。ありがとうございます。尾で物につかんだり、頭を掻いたりという様子を見て楽しんだ後リリース。この仲間を採集して飼育する、もしくはリリースするならば水から極力出さないように注意したい。そうしないと空気を吸って沈めなくなってしまうことがある。
その後も漁港やその近くの河川で釣りを堪能。小さな河川に大きな鱗のニシキゴイ、まさかこの河川にも入っていたか、と残念に思ったがよく見てみるとその正体はなんとヒブダイであった。ウナギ類などをのぞくとこれほどのサイズの魚をこの河川で発見したことがなく驚いた。ヒブダイは河川に数分とどまった後、海へと帰って行った。ただよく見たら痩せている。寄生虫でもついていてそれを落としにやってきたのだろうか?
このポイントではフエダイ科の魚やフグの仲間、ハゼの仲間などが見られる。河川では大量にボラ類が見られ小さなメジナがそれに混ざっている。小さな湾内ではヒメツバメウオなども年によりみられるが今年は見られず、そのかわりにかわいいカサゴが1匹だけ釣れた。泥底にすむからだろうか、カサゴの色彩は磯のもの(赤みがつよい)と比較して明らかに地味な褐色である。このポイントではほかにフグの仲間(セルフリリース)、そしてフエダイの仲間が見られたが、フエダイの方はまた後日改めてご紹介したい。
二日目と三日目は磯でガチ潜り&釣り。
この間このぶろぐでもご紹介したオニベラの子。コガシラベラなどと一緒にいたところを採集。
テンジクダイの仲間は潜っていても見る種数は少ない。例年少なくなっているように思う。キンセンイシモチとミスジテンジクダイが優先的で、たまにクロホシイシモチ。スダレヤライイシモチはいったいどこへ消えたのだろうか。ソラスズメダイも写ってはいるが、数は昨年と比べると明らかに少なく、毎年見るような「青いカーテン」と呼べるようなものではなかった。
岩の下をのぞけばキリンミノが。キリンミノは大きいのから小さいのまでたくさん見られた。ほかには昨年まではあまり見かけなかった小さなアカハタや、ヌノサラシもいた。ソラスズメダイはきっとこの魚たちの美味しい餌になったのだろう。
釣りの方ではいくつか美味しい魚を釣ることができた。ハタ科のオオモンハタは30~40cmサイズが何匹か釣れた。刺身にいいサイズである。ジグサビキの先端にキビナゴをつけて落とし込むという方法で色々ハタ類が釣れるが、大きく刺身でいけそうなのはこの種だけ。アカハタやヤミハタもつれたが、お持ち帰りはしていない。オオモンハタは持ち帰ってしゃぶしゃぶにして食べたがかなり美味であった。夜釣りでは面白い魚が釣れたので飼育用にお持ち帰り。この魚についてはまた後日紹介したい。帰りは宇和島市に用事があり、市内で一泊。翌日帰路に。
生かしてお持ち帰りした魚は無事に到着した。先述の面白そうな魚は写真にうつっているが、また今後改めてご紹介の予定である。
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