今日は昨年食した魚をご紹介。ウナギ目・ウミヘビ科のムラサキウミヘビ。
ムラサキウミヘビは従来は独自のムラサキウミヘビ属とされたが、現在はタツウミヘビ属とされている。タツウミヘビ属はウミヘビ科でも太く長い種が含まれていて、日本では本種を含め4種類が知られている。
ムラサキウミヘビ胸鰭
この属の魚は見た目はウツボ科の魚ににているのだが、大きく異なるところがある。それが胸鰭。ムラサキウミヘビには小さいながら胸鰭があり、胸鰭を欠くウツボ科と見分けることができる。もちろんウミヘビ科魚類に共通の特徴というわけでなく、ゴマウミヘビやヒモウミヘビなど胸鰭がないものも多い。またムラサキウミヘビもウミヘビ科であるので尾鰭がない。ただしウミヘビ科すべての種に尾鰭がないわけではなく、ニンギョウアナゴ亜科の魚には尾鰭がある。
ムラサキウミヘビ頭部
ムラサキウミヘビには鋭い牙がある。少なくとも爬虫類のウミヘビと異なり、牙に毒はないようだが、それでも噛まれると痛そうなので十分注意したいところである。この属の魚にはひげがあるものが知られているが、本種では見られない。検索図鑑によればひげが小さく、大型の個体で見られる程度だという。眼にも特徴があり、眼の大きさを調整できるといわれている。眼の少し後方に黒い点の列があるが、感覚孔だろうか。基本的には動物食らしく、泥底に潜み魚やイカなどを食するらしい。
全長1mを超える大型種。我が家でも久しぶりにメーターオーバーの魚をさばいた。なお、食味は悪くないのだが、やはり小骨が多いため食べにくい。それでもこの前のミナミホタテウミヘビと比べるとまだ食べやすいといえるかも。
今回の個体は長崎 印束商店の石田拓治さんより。いつもありがとうございます。
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