ホウセキキントキPriacanthus hamrur (Forsskål)はキントキダイ科の魚で、南日本からインド・太平洋、紅海 (タイプ産地) の広域に生息している種類です。わが国にはキントキダイの仲間は11種生息していますが、その中でも特によくみられる種類のようです。
キントキダイの仲間はそのほとんどが食用魚として市場に流通しています。人気が高いのは釣り魚としてもよく知られているチカメキントキCookeolus japonicus (Cuvier)で、これが「キントキダイ」という名前で流通されていることがあり注意が必要です。少なくとも釣り船関係ではみんな「キントキ」と呼んでいます。
▲チカメキントキCookeolus japonicus (Cuvier)
沿岸・沖合底曳網の基地があるところでは、やや細身のキントキダイ科の魚も市場にでます。「本物」のキントキダイPriacanthus macracanthus Cuvierです。以前に塩焼きで食べましたが、好評の魚です。キントキダイについては昨年の11月に記事を書きました。背鰭・腹鰭・臀鰭に黄色斑があるのが特徴です。
▲キントキダイPriacanthus macracanthus Cuvier
今回のホウセキキントキは、尾鰭がよく湾入する、各鰭には目立つ斑紋がない、側線鱗数70-90、鰓耙数は上4-6+18-21、であるなどの特徴でほかの日本産キントキダイ属魚種と区別できます。暖海の魚で、国内では沖縄や奄美、四国などで漁獲されている種類ですが、今回は長崎県で獲れた個体。このほか、和歌山や相模湾沿岸でも漁獲されているようです。日本海側では獲れているかな?
今回は塩焼きではなくお刺身にしてみました。少し冷凍庫の中で長く寝かせすぎたか、色が若干薄くなっているようにも見えましたが、脂ののりも程よく、肉には甘味も感じられました。
定置網や釣りなどで採集され、沖縄では波止場からも夜釣りで釣ることができる定番の白身魚です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます