記念すべきことに「魚紹介」もついに1000回目である。1000回目ということで、何か「特別な」魚にしようかと思ったが、この間またしてもいい魚が手に入ったのでご紹介したい。サケ目、ないしはキュウリウオ目・キュウリウオ科・ワカサギ属のチカ。キュウリウオ科の魚の紹介は2017年の春にキュウリウオを紹介して以来6年半くらいぶりである。
チカの鱗
チカといえば北海道の沿岸では人気がある、有名な釣りのターゲットである。アジやサバなどの代わりに釣り人が防波堤で本種を狙うらしい。ワカサギとは同じ属であり、縦列鱗数はチカで62~68枚、ワカサギでは54~60枚であることや、背鰭起部が腹鰭起部よりもわずかに前にあること(ワカサギでは腹鰭起部のほうがわずかに前にある)、またチカでは上顎の歯が小さいかない(ワカサギでは上顎に尖った歯がある)ことで区別することができるらしい。
ワカサギは河川や湖などにすみ、海で生活し遡上するものもいる。ワカサギは日本のあちこちに移植されているが、このチカは一生を北海道各地や東北地方の沿岸域に生息する海産魚である。英語名Surf smeltもそこからきているのだろうか。なお日本産のワカサギ属魚類にはもう1種イシカリワカサギというのがいるが、この種は残念ながらいまだに見ることがかなっていない。イシカリワカサギは縦列鱗数51~60枚でワカサギと被るが吻や脂鰭の長さにより見分けることができる。なお、このイシカリワカサギは日本産キュウリウオ科魚類で唯一、現物を見たことがない魚である。北海道にお住まいの方、ぜひともよろしくお願いいたします。
2012年に入手したチカ
なお、チカを入手したのは今回が初めてではない。12年ほど前にスーパーで北海道産の個体を入手したことがある。その時よりは写真も充実したのかな、とも思うのであるが。いずれにせよサケ目の魚はなかなか入手できなく撮影する機会も多くない。今後は積極的にサケ目も入手しようと思っているのだが、サケ目のいくつかは特に入手しにくい。マスノスケという種が欲しいのだが、これは非常に高額である。
チカの唐揚げ
チカは北海道では刺身や唐揚げなどにして食されているという。今回は別のものを揚げて食べた後ということで、これも唐揚げ粉をまぶして唐揚げで食した。7匹同時に入手したのであるが、そのすべてが子持ちシシャモならぬ子持ちチカ、であった。身は白身で骨からの離れもよく、卵も併せて非常に美味しい。さすが北海道で親しまれているもので、我が家でも北海道の味覚を堪能することができた。北海道はいつか行きたいところである。珍しいタウエガジ類やカジカ類の宝庫なのだ。
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