魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ムスメウシノシタ

2016年04月20日 11時03分44秒 | 魚紹介

ここ2回は小型底曳網の魚をご紹介してきたが、今回はひとやすみ。昨日のお話で出てきたムスメウシノシタをご紹介。今日は長崎よりすごい魚が届くのでものすごく楽しみ。

このムスメウシノシタはちょっと写真が残念なのであまり紹介したくなかった。ピントがあっておらず、ぶれが激しい。ちょっとというよりもかなり残念。失礼しました。

ムスメウシノシタの特徴は有眼側に二つの黒色点があること。ツキノワガレイの仲間にも似た特徴をもつ種がいるが、ムスメウシノシタには胸鰭がないのでこれらの種類とは区別することが可能である。またこの模様により、オトメウシノシタやムシクイササウシノシタ、トウヨウササウシノシタ、さらにはガラスウシノシタといった種類といった種とも見分けられる。

一方トビササウシノシタとは模様が少しばかり似ているのだが、有眼側の前鼻孔がやや長く、下眼の前縁を少し超えるので有眼側の前鼻孔が短く下眼前縁をこえないトビササウシノシタと見分けることができる。このようなササウシノシタの仲間を同定するのには有眼側だけでなく、頭部の特徴の観察、背鰭や臀鰭を広げて数を数えるようなくせをつけたい。なお口の形状はトビササウシノシタと同じくわずかに曲がる程度であるため、鉤状に曲がるササウシノシタとは容易に区別できる。ただ、やはり頭部をよく観察する必要があるのだが。

前回のトビササウシノシタは小型底曳網で採集されたものであるが、このムスメウシノシタは定置網とか、そういうので漁獲されたものであるようだ。ムスメウシノシタは浅い岩礁に生息する種のため、水深70mくらいの場所を曳く底曳網ではあまりおめにかかれない。あまり個体数が多くないのか、今のところこの種は写真の1個体しか見たことがない。写真の個体は2010年7月に宇和島市で漁獲されたものである。

一般的に食用にされることはないようだが、このムスメウシノシタはカイワリやマダイと同一のパックの中に入って売られていた。カイワリやマダイは食したが、ムスメウシノシタは標本にしたので残念ながら食べていない。


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