魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

オリーブヒメスミクイウオ

2022年04月22日 22時31分00秒 | 魚紹介

鰭がぼろぼろになっているが、非常に珍しい魚が届いたので紹介したい。ホタルジャコ科・スミクイウオ亜科(スミクイウオ科に昇格する意見もあり)・ヒメスミクイウオ属のオリーブヒメスミクイウオである。

オリーブヒメスミクイウオの名前は、体が細長くオリーブの木の葉のような形状をしていることからきているという。体が細長いほか、顔つきもほかのヒメスミクイウオとだいぶ異なっている。これまで見てきたヒメスミクイウオ2属のうち、ヒメスミクイウオとは鋤骨歯の形状が異なるのも特徴である。ヒメスミクイウオでは鋤骨全体に歯があるが、オリーブヒメスミクイウオでは鋤骨の両端にのみ歯があるという違いがみられる。もう1種私が見てきたヒメスミクイウオ属の種であるバケスミクイウオは体形が異なるほか、臀鰭棘数にも違いがみられる。ただし、バケスミクイウオの小型個体では臀鰭棘が2本しかないこともあるので注意が必要である。

ヒメスミクイウオ属の魚は遊泳性が強く、中層から深層を泳ぎ回っているようのかもしれない。そしてほかの魚の餌になることもあるが、自らも強い歯で小魚や甲殻類などを捕食するハンターであるらしい。日本では土佐湾と日向灘に分布し、海外ではフィリピンやバヌアツ、オーストラリア西岸など東インドー西太平洋に生息するが、国内でももっと広い範囲に分布している可能性がある。見た目も地味だしムツの幼魚やハゲヤセムツあたりと漁師さんも勘違いして投棄しているという可能性もあるだろう。

そんなオリーブヒメスミクイウオを今回は唐揚げにして食べてみた。あまり大きくなく、味もほとんど感じないのだが、それでも骨ごとばりばりと食べることができ、それなりに美味しかった。今回のオリーブヒメスミクイウオは「深海魚ハンター」さんにいただいた個体。ありがとうございました。


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