マグロ、カジキといった、沖合の肉食魚の胃の中からは時にユニークな魚が出現します。
写真の魚はギンハダカ科のヤベウキエソVinciguerria nimbaria (Jordan and Williams)。中深層遊泳性の小魚です。
ギンハダカの仲間は腹部の発光器から、「ハダカイワシ」の仲間のように見えますが、実際にはやや異なるグループのようです。キュウリエソの仲間(ムネエソ科・キュウリエソ亜科)の魚のようにも見えますが、胸鰭軟条の数が少なく、脂鰭の形状もことなっています。この個体では、脂鰭は消化されてしまっていましたが・・・。
下顎先端の「縫合部」という場所に、「縫合部発光器(SO)」というのがあるのがヤベウキエソの特徴です。ウキエソやオキウキエソには、この縫合部発光器がありません。
ヤベウキエソは日本近海にも分布おり、日本近海からは本州の太平洋側の沿岸、相模湾、駿河湾、九州‐パラオ海嶺に分布しています。また、三大洋の熱帯から温帯域まで、幅広い範囲に分布します。
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