多忙につきぶろぐをなかなか更新できずにいました。すみません。
最近もまたすごい魚が我が家にやってきました。ミズテングという魚です。歯がびっしり並んだ怖い顔と、体の前半部には鱗がないなど、不気味でいかにも「深海魚」という雰囲気ではありますが、系統分類では釣り人や市場関係者におなじみの、ヒメ目・エソ科になります。
エソ科のHarpadon亜科(和名なし。直訳すれば「ミズテング亜科」か)・ミズテング属に含まれる魚で、大きいものでは体長70cmにもなる魚です。ミズテング属の魚は5種が知られ、日本で見られるのはほぼミズテングのみです。ミズテングは東京湾から鹿児島県までの太平洋岸、台湾、西太平洋に分布しています。
日本産のもう1種であるテナガミズテングという種は、黄海、中国沿岸、インド―西太平洋に広く分布していますが、日本では有明海で漁獲されたことがあるだけで、それも長江の氾濫に由来する迷魚としてです。なおHarpadon亜科は2属からなります。ミズテング科ともうひとつ、我々の食卓でもおなじみの練り製品の原料となるマエソ属の魚もこの亜科に含まれます。なお,もうひとつの亜科にはアカエソ属およびオキエソ属が含まれます。
ミズテングとテナガミズテングの見分けは難しいものではありません。ミズテングは胸鰭が非常に短く、腹鰭基部付近にまで達しません。一方のテナガミズテングは胸鰭が長く、腹鰭基部付近にまで達するのが特徴です。なお、残念ながらテナガミズテングの画像は持っておりません。各自ググられたし。
ミズテング属魚類の最大の特徴は鱗です。同じ亜科のマエソ属は体全体に鱗があるのですが、ミズテング属の魚は体の後半部に鱗が少しあるだけです。全体的にぶよぶよとした感じが特徴的です。ミズテングは冒頭に述べたように深海魚で、水深500~600mくらいの深さに生息しています。今回の個体は静岡県産で底曳網で漁獲されたもののようです。胃のところが大きく膨らんでおり、どんな魚が入っているのか期待しましたが、入っていたのはなんとも大きなマイワシでした。網をあげるときに入ってしまったのでしょうか。
ミズテングはその名前の通り,身が大変に水っぽい魚です。ということで、まずは水分を抜くために「一夜干し」。だいぶ水分が抜けたもの(写真)を、薄く塩をして焼いてみました。
ミズテングの塩焼きが完成しました。早速箸をすすめるのですが、非常にやわらかい骨、小骨が細長いのですが、身には意外と甘さもあり美味しくいただけました。なお、今回はTwitterのフォロワーであるISSCYさんに購入していただきました。ありがとうございました。
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