魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

尾鷲のネンブツダイ

2011年08月17日 22時24分25秒 | 魚介類採集(海水)

先月に三重県・尾鷲に行ってきたときに釣りをしました。

その時に採集しましたのが、このネンブツダイです。

日本にテンジクダイ科の魚は90種類以上が分布していますが、このネンブツダイはその中でも代表的な種類といえるでしょう。

太平洋側や、日本海西部、瀬戸内の一部に生息しており、やや深さのある防波堤などで夕方から夜間に釣りをするとよく釣れる魚です。繁殖期には、他のテンジクダイ同様、口の中で卵を保護する習性を有し、マウスブリーダーとも呼ばれます。

小さい魚ではありますが、肉は白身で美味しくいただけます。

 

 

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イヌノシタ

2011年08月15日 23時30分11秒 | 魚紹介

66回目の終戦の日、(2年連続ですが)現職官僚総勢参拝取りやめ・・・、お盆、そしてお盆が終わってもまだまだ暑い日が続きそうなこのご時世。思うこと多い8月15日ではありますが、その半分近くを寝過してしまいました。

少し前に食した、イヌノシタCynoglossus robustus Güntherです。イヌノシタは、カレイ目ウシノシタ科の魚ということで、ようやくカサゴたちから「解放」されました。

ウシノシタ科の魚は日本から4属、19種(世界では三大洋の温帯から熱帯域に4属、141種)が知られています。本種の含まれるイヌノシタ属はかなり大きな勢力で、近縁属で、イヌノシタ属に含まれることもあるオオシタビラメ属を含めるとその種数は60種を超えます。おもに海水域にすみますが、東南アジアのものは汽水域から淡水域にも入るとされています。

日本産の本属魚類には、アカシタビラメや、コウライアカシタビラメなど重要食用種を多く含みます。本種はそのなかではやや大型、体長40cmほどになります。最大種は東シナ海産・カラアカシタビラメで60cmを超えます。

イヌノシタ属の種類は多くてなかなか同定が難しい場合があります。本種は、次の特徴で日本産の他種と区別可能です。

★無眼側に有孔側線がない-オオシタビラメと区別可能

★有眼側の側線は2列-オタフクゲンコ・テンジクイヌノシタを除く日本産イヌノシタ属の全種と区別可能

★背鰭軟条数は普通121以上-オタフクゲンコと区別可能

★第1・第2側線間の鱗数は11-テンジクイヌノシタと区別可能

アカシタビラメは本種に似ていますが、赤みが強く、第1・2側線間鱗数は11-13枚、背鰭軟条数は107-116であるなどで区別されます。

味については美味です。本種も、アカシタビラメもフライパンで焼いてバター焼き、あるいはムニエルなどで美味しく食べることができます。底曳網漁業で主に漁獲され、115m以浅の砂・泥底海底に多く生息しております。

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マゴチ

2011年08月12日 19時27分18秒 | 魚紹介

これまで、5記事連続でカサゴ目の魚を書いたのですが、また今回もカサゴ目でごめんなさい。

コチ科のマゴチPlatycephalus sp.2です。

マゴチは日本産コチ科では最大級の種のひとつ、全長1mに達する個体もいます。この個体は全長50cmほどの雌の個体でした。

コチ科の仲間は分類が結構難儀しているグループのひとつ、コチ属もそれにもれず、日本からは少なくとも2種が報告されているのですが、学名はまだ決定していません。

これはながらくバーテールフラットヘッドPlatycephalus indicusと呼ばれる種と、日本のマゴチは同種であるとされていたのですが、最近になり別種と考えられるようになったためです。近縁種にヨシノゴチというのがいてえ、これも研究がおこなわれており、古くは1972年にTaniguchiらにより調べられているのですが、現在でもまだ学名が決まっていません。

しかし、こういう混乱はあるものの、魚を食うのが好き、釣りが好き、な方々にとっては、マゴチはマゴチ。親しまれている魚なのです。

料理は刺身。今回はあらいにしてみたのですが、上手くできず・・・でも、まあまあ美味しかったです。ただ翌日にはこのあらいに衣をつけてあげました、こちらはもっと美味しかったです。

こちらは中骨・卵を煮付けました。これも美味しかったです。

今日・明日はお盆なので魚は食うまいと思っていましたが・・・

照りゴチ、美味しかったです。

★おまけ★

前回のサケ科魚の刺身は、カラフトマスOncorhynchus gorbuscha  (Walbaum)でした。この魚はその生態から1年おきに豊漁・不漁を繰り返す魚として知られていますが今年は獲れているようです。一見、サクラマスにも見えるのですが、尾鰭にも小黒色斑があったり、筋肉が鮮やかなピンク色をしていたりと、サクラマスと異なる点もみられます。

寄生虫が多いので、生で食う時はかならずいったん冷凍します。その後薄く切って、所謂ルイベにして、いただきます。

さて、最近暑い日が続きます。皆様ご自愛ください。

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ホウズキ

2011年08月08日 19時54分54秒 | 魚紹介

二日連続でフサカサゴ科の魚です。

今日はホウズキHozukius emblemarius (Jordan and Starks)。Hozukiというのは、植物の「ホオズキ」のほうが有名、でも魚のホウズキの方も以後お見知りおき願います。

ホウズキは前回のハチと同じくフサカサゴ科の魚ですが、その分類学的な位置はかなり離れています。ハチは「ハチ亜科」に属してますがホウズキはメバル亜科に属します。メバル亜科は4属、もしくは7属、凡そ120-137種が知られています(この数値はキチジ亜科を本亜科に含めるか否かで変わってきます)

 

ホウズキ属の魚は本種と、ベニメヌケの2種が知られています。本種では頭部側面ほぼ全域が鱗におおわれていますが、ベニメヌケでは吻・主上顎骨・下顎は無鱗です。分布域としては、ホウズキは日本の太平洋岸の広い範囲にすむのに対し、ベニメヌケは北太平洋の天皇海山周辺にのみ産します。

さて、ではお待ちかね、食の話題へ。実はこの個体は「アコウダイ」と市場関係者さんがおっしゃっていました、でもこれは帰宅後に見なおしホウズキと判明。アコウダイは美味しい魚で有名ですがホウズキのほうはあまり食に関する記述が見当たらない。でも市場関係者もアコウダイと売っていて、クレームないということは美味しいのでしょう。

肉は白身で薄ら桃色がかっています。こういう深海のフサカサゴ類はなかなか食する機会もなく、楽しみ。

さて、一口運んでみますと、なかなか、ご飯もすすむというもの。脂もほど良くのり、甘みのほうもあります。今回は刺身で食べたのですが、フサカサゴ類は煮付け、というイメージもあります。次購入する機会があるなら煮付けを頂きましょう。

右のオレンジ色の魚ですが、これはまた後日。

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ハチ

2011年08月07日 11時13分07秒 | 魚紹介

今日登場するのはフサカサゴ科のハチApistus carinatus (Bloch and Schneider)です。一色漁港ではフサカサゴ科の魚も何種かいましたが、漁法が底曳網がメインからなのか、メバルやカサゴなどは多くなく、このハチやコクチフサカサゴが大部分でした。

ハチは長い胸鰭と、その下に遊離軟条があること、下顎の「ひげ」が特徴です。また背鰭には白く縁取られた大きな斑があります。この特徴で日本産の他のフサカサゴ科魚類と区別され、ハチ亜科という独自の亜科に入れられています。また、ハチ科という別科を設立しその中に含める場合もあります。


宇和海産

ハチはインド・西部太平洋の熱帯~亜熱帯海域に広く分布しています。Randall (1995) の示した分布域は、日本、インド-マレー域、オーストラリアから果ては紅海、オマーン湾、南アフリカまで達しています。日本でも南日本の広域に見られます。私が見たのは、今回の三河一色のほか、愛媛県の宇和海沿岸、福岡県の玄界灘沿岸です。ほか、山口県響灘産の標本も手に入りました。

ハチを扱ううえで注意しないといけないのは、背鰭の棘に毒があるということです。これは刺されるとかなり痛いのです。山でも、海でも、「ハチ」には気をつける必要があります。

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