魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

アラレイモ

2022年05月21日 21時02分09秒 | 軟体動物(貝類・頭足類)

喜界島ではイモガイをいろいろ見た。2回ほど前にみたアンボイナ(たぶん)もそうだが、ほかにもイモガイが色々。このきれいでかわいい種類は何という種かわからなかったのでいつものようにFacebookのコミュニティ「44の海の談話室」でお尋ねしてみた。管理者の加藤 昌一さんから「アラレイモぽい」とコメントをいただいた。また、Hiroshi Shigeさんからは「魚食性」というコメントをいただいた。加藤さん、Hiroshiさん、ありがとうございます。

さて、Googleでこのアラレイモを調べたら「微小貝データベース」に掲載されていた。うーん、貝殻の模様はやはりアラレイモのようである。あまり大きい種類ではないが、潮だまりで小型のハゼやカエルウオを襲うのには十分なサイズなのだろう。もちろん、こんなもの水槽に入れたら魚を捕食される危険が高いし、毒もあるので手をださないで見るだけ。四国以南のインドー太平洋に生息するというが四国ではこの手の貝は見たことがない。というか、四国ではイモガイ類自体貝殻を除いてマダライモくらいしか見たことない気がする。

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ソウシハギ

2022年05月20日 21時54分14秒 | 魚紹介

 

今回の喜界島釣行は宮崎在住の「あらら」さんとご一緒させていただいた。私よりずっと釣りがうまく、磯釣り師、という感じ。実際に冬はメジナを追いかけておられるようだ。喜界島に到着してすぐ、防波堤で釣り。あららさんの竿が大きく曲がると、こんな魚が上がってきた。カワハギ科のソウシハギである。

ソウシハギといえば、なんといっても鮮やかなこの斑紋。毒々しい斑紋をしているのだが、琉球列島では食用魚としておなじみ。ただし腸内容物から毒が検出されたことがあり、内臓は食べないほうがよいだろう。刺身はポン酢がよく合う。クーラーボックスなどをもっていなかったので、このソウシハギはリリース。ソウシハギの食レポはこちらをどうぞ。

面白いことに、我が家でソウシハギを食べた際に、カワハギ科のソウシハギの写真を家族に見せたが、派手であるものハシが止まることはなかった。一方、モンガラカワハギ科のあまりカラフルではないアミモンガラを食べさせた際に、「これなに?」と聞かれてモンガラカワハギ科のアミモンガラだと説明したらハシが一瞬とまったのである。やはり「カワハギ科」のブランド力は高いのだろう。そしてモンガラカワハギ科の魚が食用としてあまり人気が出ない理由なのかもしれない。うーむ。

ちなみに我が家で食したカワハギ科の魚はこのソウシハギのほか、カワハギ・ウマヅラハギ・ウスバハギ・ゴイシウマヅラハギ・サラサハギ・キビレカワハギ・センウマヅラハギの計8種であった。モンガラカワハギ科はアミモンガラ・モンガラカワハギ・メガネハギ・オキハギの4種。やはりモンガラカワハギ科、という名前は食欲をそいでしまうのだろうか。

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アンボイナ(たぶん)

2022年05月19日 21時54分40秒 | 軟体動物(貝類・頭足類)

喜界島で拾った貝殻。残念なことに損壊が激しいのだが、イモガイ科の貝、アンボイナ(たぶん)ではないかと思っている。これは干潮時に干上がって露出する場所に落ちていたものである。しかしおそらくはそれよりも下の水深がある場所に生息している貝かもしれない。

見ての通り、藻類も付着しているなどしていて、損壊が著しい。アンボイナではなく、ほかのイモガイ...マダライモやタガヤサンミナシだったら持ち帰らなかったかもしれない。高さは6cmほどだが、貝殻に損傷がなければもっと大きかったと思われる。

アンボイナは貝類としては珍しく、ヒトを死に至らしめる危険性のある貝である。ほかに死者を出した貝類、バイ、アサリなどは食中毒を引き起こしたためで、見たり触ったりする分には問題がないが、このアンボイナは銛状の歯に強い毒があり、触ったりすると危険とされている。この歯に毒を有する理由はハゼなどの魚を捕食するためであるとされる。しかし、貝殻ならばふれても安心。

貝殻の模様。ちなみにアンボイナと近縁のものにシロアンボイナやムラサキアンボイナなどがいるが、これらの貝と非常によく似ている。タイトルを「アンボイナ(たぶん)」としたのはそのためである。どなたか~。

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カタボシオオモンハゼ

2022年05月18日 22時26分02秒 | 魚紹介

今回初採集の魚。ハゼ科オオモンハゼ属のカタボシオオモンハゼという種類である。

オオモンハゼ属の魚はみな暖かい海に生息していて、普通はサンゴ礁周辺の砂底に生息している。カタボシオオモンハゼは図鑑などではその存在を知っていたし、飼育したこともあったのだが、採集したのは今回が初めてである。

カタボシオオモンハゼの頭部。特徴としては胸鰭基部後方に黄色の点があることなのだが、この個体ではそれは見られない。眼の下に明瞭な黒い線が腹方にまっすぐ伸びているのも特徴といえるかもしれないが、この特徴はオオモンハゼのほかの種も持っていることが多い。なお、このオオモンハゼ属は10種ほどが知られ、多くはインドー太平洋に生息する。そこまでは多くのハゼがそうなのであるが、このオオモンハゼ属のうち、Gnatholepis thompsoniという種類は大西洋に分布する。しかも西大西洋から、東大西洋の島嶼域にまでである。すごい。

分布域は広く、千葉県でも記録があるというが、基本的には熱帯性の種で琉球列島に多くみられる種のようである。海外ではインドー太平洋(東アフリカからフィジー、ピトケアン)に分布している。観賞魚店では近縁種のアデオオモンハゼがまれに販売されていたのを見たことがあり、本種も沖縄の海水魚店で見たことがあるものの、地味な色彩のためあまり流通することはないようだ。その時の個体は購入したのだがなぜか導入して数日後にお亡くなりになってしまった。なぜかは不明だが、底生のハゼは状態よく飼育できていてもある日突然死亡してしまう、なんていうことが多いように思う。ほかの魚か、甲殻類に攻撃されるのか、水質の変動に弱いのかわからない。

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ソコカワムキ

2022年05月17日 16時34分03秒 | 魚紹介

久しぶりに深海魚の画像をご紹介。フグ目・ベニカワムキ科・ソコカワムキ科のソコカワムキ。

名前の通り深海性の種類であるが、生息水深は300m前後と比較的浅いため、底曳網漁業によって漁獲される。分布域はインドー西太平洋。日本においては土佐湾と日向灘で漁獲されている。今回の個体は日向灘のものでHN「深海魚ハンター」さんから。ありがとうございました。

ソコカワムキがほかのベニカワムキ科の魚と異なっているのは、歯が門歯状であること、口唇が非常に大きく膨張するということである。当初下顎が突き出ていたので、ウケグチカワムキだと思われたが、口唇の形状が違うので容易に見分けることができた。この違いはおそらく食性の違いに起因するものだと思うのだが、何を食べているのであろうか。ちなみにこの仲間の一種であるフエカワムキはほかの魚の鱗を捕食する、「スケールイーター」だとされている。

ベニカワムキの仲間は腹鰭棘が1対あり、それは非常に強大である。なおこのような明瞭で、かつ対になっている腹鰭棘をもつフグ目魚類はこのベニカワムキ科とギマ科くらいである。モンガラカワハギ科やカワハギ科の仲間は腹鰭が痕跡的で左右対をなしておらず、腰骨後端にある。フグ科やハコフグ科などでは見られなくなっている。またベニカワムキ科のほか、モンガラカワハギ科やカワハギ科には明瞭な背鰭棘が見られるが、フグ科やハコフグ科などにはそれは見られない。フグ科やハコフグ科の魚類はその代わり鎧のような体甲に覆われていたり、体を膨らませたりして身を守る。体つきにおいてはユニークな仲間たちである。

本種の腹鰭の棘が強大であるが、さらにその腹鰭の棘に小さい棘が見られる。小さいといっても、かなり強そうな棘である。これまでベニカワムキは何度か見てきたが、ベニカワムキの棘はそれほど強大なものではなかったように思う。しかし本種のそれは非常に強そう。これでカイメンなどに体を引っ掛けておいて流されないようにするのだろうか?それとも産卵・放精の際に相手をつなぎとめておくためのものか?いずれにせよ、深海で生き延びていくための工夫なのだろう。

ベニカワムキ科は食用になるという話はあまり聞かない。しかし今回は塩焼きで食してみた。身は小さく、なかなかはがれにくいのだが、味はかなり良いほうである。この個体は全長10cmほどと大型の個体であるが、頭もやや大きいのであまり食べられるところがない。

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