♪Tristesa nao tem fim, felicidade sim♪(naoのaの上に~)
♪悲しみには終わりがない、幸せにはある♪
TVから突然このフレーズが流れてきた。見覚えのある女性が歌っている。何かのCMらしい。誰かと思ったら、UAだった。
映画「黒いオルフェ」の主題歌。タイトルは「幸せ」なのに、その幸せには終わりがあるという。映画の内容を暗示する詞だ。終わりがあるとわかっていても、幸せを求めずにはいられない、人間。絶え間ない悲しみのあいまに、少しの幸せがなくては生きられない。
希望のない詞のようだが、映画の最後は希望を子供たちに託して終わる。ギターの音色で朝日を昇らせた子供たちは、踊りながら新しい一日を迎える。
「黒いオルフェ」といえば、「カーニバルの朝」が主題歌だと思われがちだが、実はこちらは挿入歌でちらっとしか出てこないのだった。
ちなみに、英語に直訳すると、Sadness has no end, Happiness, yesということになるだろうか。simという肯定語は、yesほど頻繁に使わないので、使うときはけっこう強い肯定になるらしい。fimとsimで韻を踏みつつ、「終わりがある」ことを強く肯定したところが、詞の美しさと内容の悲しさを強調したように思う。