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陳柏宇(ジェイソン・チャン)「First Experience」(香港)

2007年05月14日 03時33分49秒 | CD紹介

 お待ちかねの陳柏宇(ジェイソン・チャン)デビューアルバム。先行オンエアの「固執」「斷絶來往」でその実力はわかっていたが、ほかの曲はどんな感じなのか、すごく気になっていた。
 公式サイトによると、香港生まれカナダ育ちの23歳。05年に香港に戻って歌手を目指したということだから、大学を出た頃か。(香港の場合、とりあえず大学だけは出てから芸能活動に入る人が多いようだ。)
 1曲目の「固執」はオリジナル楽曲のクォリティを少しも損なわずに見事に再現。outroで、しっとりしたフェイクを聴かせてくれる。2曲目の香港らしいバラード「斷絶來往」をきちんと歌いこなせるのを聴くと、なんか安心^^;
 高音域の曲が続くので、地声が高いかと思ったらさにあらず。コーラスで低音域を自分で入れている。ファルセットも地声の一部のように使えているらしい。
 高音が得意な人にありがちな“低音域苦手”ではなく、チェロとメロディカ(鍵盤ハーモニカ?)が印象的な「認命」やベースが美しいアレンジの「醫生的悲哀」では、低音も惹きつける力を見せる。
 陳奐仁(ハンジン・タン)作曲・プロデュースの「萬中無一」はアコギで始まってエレキもシンセも入る、ちょっと複雑なアレンジのR&B。サビに入ると伸びやかにぐいぐいと歌っていく。ロッカバラードの「車匙」はDannyのギター、恭碩良のドラムに劉祖徳のコーラスがカッコいい。
 「斷絶來往」は作詞の黄凱をフィーチャーしたバージョンも収録。デュエットで歌うバランスは心得ている感じ。最後は「固執」と「車匙」北京語版の「堅強」と「一公升的眼涙」。発音は北京で録音してきただけあって、まあまあ合格かと 「一公升的眼涙」はストリングスを入れたドラマチックなアレンジで、「車匙」とはまた違う雰囲気を出している。
 どの曲も、歌い始めは探るような静かな入り方。一音一音丁寧に歌いつつ、豊かな声量でだんだん盛り上げていく。1曲目がアカペラで始まったせいか、どこか“静謐”を感じさせる声だ(声に静謐って変な表現だけど)。
 DVDにはMV2曲とメイキングなど。「斷絶來往」のMVで使われたカフェから見えるのは、湾仔のあたり? 私がいつもCD買いに行ってたところの近くかな。SONY BMGと契約にサインしたところの映像なんか、よく録画してあったものだ。よほど期待されてたのか、、、
 しゃべる声は特に響く声でもなく、とっても普通。案外明るいしゃべり方も雰囲気も“近所の兄ちゃん”で、歌とのギャップが大きいのが面白い。これだけ聴いたら歌手だと思われないかも。
 171cm134ポンド(約61kg)という体格は、足も長くないしすらっとしてもいない。CM撮影のシーンなどでは、かなりひょうきんな表情もする。意外と口が大きくてそこだけ香取慎吾っぽい(笑) かえって普通っぽさが受けてドラマなんかに引っ張り出されたりして
 特筆したいのは謝辞。
「僕のような、ルックスも身長もなく才能もたいしたことない者に投資するのは、会社も勇気が要ったと思う」
「全員が賛成してくれたわけじゃないけど、精神的にも経済的にも支えてくれた家族に感謝」
「fanの皆さん、ポスターを作ってくれて、手紙をくれて、チョコレートもくれて、ありがとう」
「時々困らせたりいらいらさせた人たちに、ごめんなさい」
「歌のキャリアでも人間としてもJasonの成長に貢献してくれた人たちに感謝します」
 名前を次々挙げていく謝辞は多いけど、こんなに真摯な言葉を連ねたのはあまり見かけない。歌はもちろん、その人も応援したくなる新人。今後に期待
 

 「先着50名様にサイン入り」だったが、サイン入ってなかったということは売れ行き好調なのね

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コメント (5)
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