フィギュアスケート・グランプリシリーズ第4戦NHK杯、男子シングル。高橋大輔が他を圧倒して終わった。
SPの技術点の基礎点で、高橋と小塚崇彦の差は0.1。しかしGOEでべらぼうな差がついた。大ちゃん、ほとんど“ステップのついでにジャンプも跳んじゃおう”みたいな感じで、助走短く準備動作小さく、高さも十分で流れもあって、そりゃ高いGOEがつくはずだ。
4回転に挑戦した選手たちが、必ずしも高得点を出せない。ブランドン・ムロズはSPで基礎点13.60の4回転ルッツを降りたが、GOEで-1がつき、ほかのジャンプも少しずつマイナスだと、結局高橋大輔がジャンプで稼いだ得点を下回ってしまう。4回転を入れても、コンビネーションが4回転+2回転や3回転+2回転だと点数を伸ばしにくい。
さらに一朝一夕では点を伸ばせないのが演技構成点。昨季のパトリック・チャンがびっくりするような高得点を連発していたが、当時のチャンにあれくらい出したなら、今の高橋にはこれくらい出さないと、という基準ができてしまったかも。今季の大ちゃん、すごいことになりそうだ・・・
2位の小塚崇彦は今回悪かったというわけでもない。フリー「風の谷のナウシカ」は、実況アナの言葉を借りれば「空気を作った」。世界観を表現する力が着実についてきている。細かいところで取りこぼさず、パフォーマンス全体のレベルを上げていけば、演技構成点の5項目も8点台が出るようになると思う。
町田樹、SPの後半まで完璧だっただけに、スピンで転倒して0点になったのは勿体なさすぎ フリーは果敢に4回転も挑戦したが、最後はちょっと息切れした感じ。エキシビションのギタープレイかっこよかったから、全日本で上位に入ってまた見られるといいな。
4回転がなくてもそれなりにまとめれば結果がついてくると証明した3位ロス・マイナー。エキシビションの「北海道」Tシャツと手ぬぐいの鉢巻き、ナイス
コンテスティ、ベルネルといったベテラン勢がいまいち。ベルネルはロシア大会もエントリーしているが、ちょっとファイナルは無理っぽい。ヨーロッパ選手権あたりからの巻き返しなるか。
そのファイナルだが、小塚は「次の大会は自分では全日本だと思っている」とインタビューで言った。アメリカ大会3位11ポイント+2位13ポイント合計24ポイント、得点合計447.11。これは昨季6番手で進出したフローラン・アモディオとほぼ同じだから、望みがなくなったわけじゃないんだけど。
(ちょっとだけ“たら、れば”を言えば、アメリカ大会であと0.4点取れていれば2位だった。26ポイントならかなり有利だったのに・・・)
ただ今季は、世界選手権上位入賞者に3大会エントリーが認められていて、男子ではミハル・ブジェジナが3大会エントリーしている(ポイントは成績のいい大会2つの分を計算)。1試合目のカナダ大会でさっそく優勝、この後フランス大会・ロシア大会と続けて出場するので、最低でもどちらかで3位以内を狙ってくると思われる。
小塚だって3大会エントリーの権利は当然あるが、強豪ひしめく日本のこと、ほかの選手にもチャンスを与えなきゃいけないわけで^^; 中国大会2位の織田信成、4位の羽生結弦にはどのくらい可能性があるか?
まずフランス大会に出場の織田。カナダ大会優勝のパトリック・チャンが出てくるので、ここは無理に優勝を狙わず、確実に2位を確保するのが得策かも。アモディオやケヴィン・レイノルズあたりが頑張って3、4位あたりに入ってくれると、小塚や羽生が宋楠やアダム・リッポンより少し有利になるんだけど(ブライアン・ジュベール欠場だそうで残念)
ロシア大会には、カナダ大会2位ながら250.33を出したハビエル・フェルナンデスが出場する。ブジェジナや中国大会優勝のジェレミー・アボットよりはるかに高い得点で、同じような点数を出してくると優勝間違いなしだが、、、羽生は優勝してやっと24ポイントだけど、240点前後の争いになったら勝ち目がないではない?! ガチンスキー、ベルネルの出来が鍵を握りそうだ。
要するに、1試合目で1位2位を取った選手たちが表彰台を分けあうと、1試合目3位4位の選手たちがつけいる隙がなくなるのだ。一番ありがたいのは1試合目で5位6位と出遅れた選手たちが、僅差でもいいからポイント有利な選手たちより上位に入ることで
どう計算しても、日本選手4人全員がファイナル進出するのは難しそう でも、試合はやってみなければわからないので、まずは持てる力を発揮する演技を