Thank you for the music

好きな音楽のこと、あれこれ。その他諸々もあり。

0.03点の奇蹟

2011年11月27日 10時46分11秒 | スポーツ

 折れない心で最後まであきらめなかった若者に、勝利の女神がご褒美のウィンク。なんて、NHKの刈屋アナが言いそう(笑)
 フィギュアスケート・グランプリシリーズ第6戦ロシア大会男子フリー。ファイナル進出には優勝しかない羽生結弦が、わずか0.03点差で勝った
 今季の内容からして、SP首位に立ったアボットより、SP4位のフェルナンデスが鍵。いきなり4回転トウループ、4回転サルコウ、トリプルアクセル+3回転トウループを決めたのを見て、正直「こりゃ勝ち目ないかな、、、」と思った。
 しかし、結果は最後までわからないもの。3回転が2回転になったり、3-2-2の予定が1-2-1になったり SPでもコンビネーションのファーストが2回転になったのをセカンドに3回転を跳んでリカバリーしてたが、後半は少しバテたのか、動きが重たかったかも。"Looks tired."と言われてた。
 羽生は冒頭の4回転トウループで転倒してしまい、さらにサーキュラーステップで転倒、、、しかし頑張る結弦くん。後半、ルッツがコンビネーションにできなかった分、ループに2回転トウループをつけてコンビネーションとした。結果的にこの1.3点が効いた。
 技術点はフェルナンデスを0.73上回る82.50、もちろん今大会でトップ。ジャッジスコアを見ると、フェルナンデスの最初の3つのジャンプには合計5.01の加点があるのに対し、基礎点が1.1倍になる後半の5つのジャンプは3つにGOEでマイナスがつき、合計は-0.39。なんか勿体ない^^; ジャンプ全体のGOEは結局4.62。
 逆に羽生のGOEは、転倒したジャンプとステップにしかマイナスがない。前半4つのジャンプでは、転倒した4回転以外でほぼマイナス分を取り返して0.23のプラス。後半4つはトリプルアクセル+3回転トウループに1.43をもらうなど、合計で2.83のプラス。ジャンプ全体では3.06。
 ほぼ予定通りの回転数で跳べた羽生は基礎点も落とさず、GOEを加えれば68.58をジャンプで稼いだ。4回転2回をクリーンに跳んだのに、フェルナンデスがジャンプで稼いだ点は63.87。冒頭が良すぎただけに、尻すぼみな感じになってしまったかも。
 スピンはフェルナンデス11.07羽生11.72とほぼ互角。コレオステップに1点以上の加点をもらったのはアボット1.00と羽生1.60だけ。
 要するに、最初から最後までジャンプよく跳びスピンよく回りステップもしっかり踏んで、"well-ballanced"といえるのが羽生の演技だったのだ。点差はわずかだけど、優勝に相応しかった
 (しかしこの子は、いざというときに勝負強い、、、ジュニアに上がった年に全日本ジュニアで勝ち、15歳中3で世界ジュニアを制し、17歳手前でグランプリ大会優勝、、、こんな“早熟”の選手、女子はときどき出るけど男子には珍しいんじゃ、、、高橋大輔や織田信成や小塚崇彦が、世界ジュニアに勝った歳やグランプリ優勝した歳と比べたら違いすぎ
 アボットのスケーティングと振付は美しくドラマティック、ファイナルでまた見られるのは楽しみ。手を切っちゃったのはどこだったのかな…。シーズンベストを出した大会が、3つ出場した中で一番順位が下という皮肉なことになったブレジナ、さすがに少し疲れた? そのブレジナより2試合の得点合計はずっと上のガチンスキー、ポイント制の割を食った感じ。

 これで男子のファイナル進出は、パトリック・チャン(カナダ)、高橋大輔、ジェレミー・アボット(米)、ミハル・ブレジナ(チェコ)、ハヴィエル・フェルナンデス(スペイン)、羽生結弦と決定。北米2人、ヨーロッパ2人、日本2人と、いいバランス?!
 ファイナル進出では、ジュニア時代からのライバル羽生に先を越されてしまった宋楠。フェルナンデス優勝なら宋楠がファイナルに出られたわけで、実際期待してただろうけど^^; 演技構成点5項目の平均がまだ6点台では厳しいかな。四大陸選手権や世界選手権で再挑戦してもらおう。
 羽生が0.03点の奇蹟なら、小塚は0.4点の後悔?! スケートアメリカであと0.4点取れていれば2位で、今頃ファイナル進出が決まっていた。もっとも、もしそうだったら、羽生は今大会優勝しても、「フェルナンデス3位以下」「アボット4位以下」のどちらかが起こらなければ進出できなかったんだけど。
 ファイナルでのいい演技と、それが全日本につながることを期待しよう。女子やペア・ダンスについてはまたあとで。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする