やっぱり、残酷すぎた。
平昌五輪最終予選となるネーベルホルン杯2017、ペア・フリー。出場権獲得に挑んだ日本の須藤澄玲/フランシス・ブードロ=オデは、残り5枠を争うペアの中で6番目となって、出場権獲得はならなかった。
元々この大会で争われる出場枠は4だったが、フランスが2枠のうち1枠を返上した。トップのヴァネッサ・ジェームズ/モルガン・シプレ以外は、国籍問題があるんだろう。1つ増えて5枠になったので、須藤/ブードロ=オデのチャンスが広がったと思われたが、、、
どのペアもこの大会に合わせていて、ショートプログラムからベスト更新やそれに近いスコアを出してくる。須藤/ブードロ=オデも決して悪い出来ではなかったが、僅差の戦いの中では小さなミスが順位に大きく響いてしまい、11位。フリーでは第2グループの第1滑走、ライバルたちより先に滑ることになった。
トップ選手たちが優勝を争うとき、世界選手権2017男子フリーの羽生結弦のように、先にいい得点を出して後続の選手たちにプレッシャーを与え、結局逃げ切る場合もある。しかし、特定のグループの中で上位に入ればいいという戦いだと、前の選手のスコアを見て滑れる後続の選手のほうが有利だ。目安の得点と自分たちのできることを計算して、必要なら安全策も取れるし、自己ベストでなくても大丈夫と気を楽にして滑れるからだ。
逆に、SPで出遅れた分、少しでも高得点を出さなければというプレッシャーが、先に滑るほうにかかる。絶対にジャンプを下りなければ!とか、ミスが出たらリカバリーしなければ!とか 澄玲ちゃんは前半のジャンプで転倒、リフトで上がりきらず、スロージャンプも転倒。最後まで頑張ったが、ベストには遠い出来になってしまった。
枠取りがかかるペアはその後6組。ベラルーシのペアはわずかに須藤/ブードロ=オデに及ばなかった。あと5組。須藤/ブードロ=オデの得点を超えれば上位5組に入れて、しかもそのスコアは自分たちのベストより低いという状況。
イスラエル、北朝鮮、オーストラリア、オーストリア、みんなベストを更新。ややミスが出たチェコも大きく崩れなかった。
4年前と比べるとレベルが段違いに高くなっていて、須藤/ブードロ=オデも自己ベストを更新するくらいでなければ無理だったが、、、残念
こちらの記事にあるように、須藤/ブードロ=オデは五輪出場枠を取れたとしても、自分たちが出場できるわけではない。日本のために、仲間のためにと強く思っていただろうけど、最後に原動力になるのは「オリンピック出たい!」「あの舞台に行くぞ!」という気持ちじゃないだろうか。男子を見ていたら、どの選手からも「俺は出たい~~~」と体じゅうで叫んでいるのが聞こえるようだった。
そんな気持ちを持つことが初めから止められていて、周囲の期待ばかりが大きいって・・・どんなにつらかっただろう・・・
演技を終えて悔し涙にくれる澄玲ちゃんを、フランシスが慰める。こんな思いをさせてしまって胸が痛い。
今、アイスダンスのフリーが行われている。最終滑走の村元哉中/クリス・リードが6番目までに入れば出場枠を獲得。3種目以上の出場によって、団体戦出場もほぼ確実になる。
自分たちのために、今できること全てを出しきって。チームのためとかはこの際後回しで(笑) それでいい