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明暗を分けたもの

2017年12月26日 19時13分52秒 | スポーツ

 全日本フィギュアスケート選手権2017、終わって平昌五輪代表が決定。2枚目、3枚目の切符を獲得できたかできなかったか、明暗を分けたものは・・・

<男子ージャンプよりも>
 フリーで今季最高の演技を見せた無良崇人、私は見ていてうるっとしてしまった。ジャッジスコアを見ても、マイナスがついているのは少し乱れた3回転ルッツだけ。4回転こそトウループ1本だけだが、高いGOEがついたトリプルアクセル2本をはじめ、ジャンプは予定通り跳びきった。
 田中刑事は冒頭に4回転サルコウ、後半に入ってから4回転トウループ、クリーンに決めてGOEも2.14(満点は3.00)と高かったが、実は技術点全体では無良に負けている
 フリーで無良の技術点は88.80。一方田中は87.67、4回転を3本跳んだのに1点以上低かった。差がついているのはジャンプで、無良は基礎点65.08にGOEが6点以上プラスで71.13。田中は基礎点67.00にGOE加点は1点台で68.68。ちょっと意外なようだが、コンビネーションにできず+REPで基礎点が70%になってしまった4回転サルコウとトリプルアクセルが響いた。
 スピンでは無良10.37に対し田中は11.52、ときどきスピンを取りこぼすことがある無良、今回はレベル4が2つにレベル3が1つと田中に並んだが、GOEでやや差がついた。
 ステップでは、田中がレベル2、無良はレベル3、GOEほぼ同じで点差はレベルの差がそのまま。コレオシークェンスは無良が3.00で田中が3.80。ジャンプ以外では田中のほうが少し良かった、という形だ。
 点差は、むしろ演技構成点で大きかった。無良の84.08に対し、田中は88.14。項目平均で1段階(0.25)以上の差がある。プログラム全体を通して、元気よく勢いがあったことを表しているようだ。
 そして、演技構成点で田中が上回ったのはショートプログラムからだった。無良が4回転をクリーンに決められなかったので技術点の4点差が目立ったが、演技構成点も1.78負けている。
 ショート、フリー通して無良が田中より良かった項目がなく、スケーティングスキルなどベテランが取りやすい項目でも取れなかったのは痛かった。

 田中は、2本目の4回転とトリプルアクセルがコンビネーションにできれば、上乗せできる点は12点以上になる。オリンピックでばっちり決めたら、上位も狙える そんな期待も込めて、送り出そう

<女子ー今できることができたか>
 2位坂本花織と4位樋口新葉、トータルの点差6.55は、ほぼそのままジャンプの差に近い。ショートプログラムでアクセルが1回転で0点になり、フリーではサルコウが2回転になった樋口、それ以外にミスがなかっただけに惜しい。
 シーズン半ばまでは、それでも演技構成点に差があった。ロステレコム杯の坂本、転倒があったフリーの演技構成点は63.66。8点台に乗せた項目は1つだけだった。それがスケートアメリカでは67.48、5項目とも8点台と急成長している。
 今大会でも、演技構成点はショートで樋口33.14、坂本32.66。フリーで樋口68.91、坂本67.29。大きな差がつかなければ、技術点で上回るほうが強いのは当然だ。
 正直、私は坂本の表現の“幼さ”がずっと気になっていた。三原舞依もそうだけど、指先や腕の動かし方にあまり意識が行っていない。手がふわっと丸まっている時間が長く、指先がはっきりした形を作っている時間が短い。腕を大きく広げたり伸ばしたりするのも、勢いよくぶん!と動くことが多く、ためたり少し曲げたりという部分があまりない。
 会場内で見ると、テレビで見るほど細かいところまで見えるわけではないようなので、ジャッジはそこまで見てないのかもしれない。ただ、雰囲気としては伝わってくる。
 そもそも日本人は欧米人に比べて幼く見えるから仕方ないところもあるが 同年代の他国の選手たちと比較すると、もうちょっとなんとかならないか、、、と思っていた。
 坂本のフリー「アメリ」は、ある意味その幼さを逆手にとって、不思議な少女を演じるプログラム。とても難しい動きがあって最初は苦労したそうだが、ここへきて完成形に近づいてきた。ジャンプも表現も、今できる全てを大舞台で出し切れたことが、オリンピックにつながったといえる。
 あえて大人っぽくしない個性をしっかり演じきれば、誰も真似できないプログラムになる 早熟な欧米選手に対抗するにはいいかもしれない。
 一方で樋口のフリー「007スカイフォール」、スタイリッシュで勇ましくてカッコいい。世界選手権代表に選ばれたのは、Number Webの記事にあるように「上位進出が必ず可能な高いレベル」であり、「大きな舞台で完成された演技を観てみたいと思わせる魅力がある」。オリンピック直後の世界選手権は、有力選手が出てこないケースもあるので、チャンスかも

 「行きたかった人もいる中でオリンピックに行く責任」を口にした坂本、その覚悟やよし。悔しさに大泣きした樋口も、“倍返し”の覚悟でがんばれ

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フィギュアスケート2018冬季オリンピック&選手権代表

2017年12月26日 03時02分41秒 | スポーツ

 全日本フィギュアスケート選手権2017が終わり、平昌オリンピックと各選手権の代表が発表された。
 補欠の情報は、取材した記者の方のTwitterから(mixiにアップされたリンクより)。

<平昌オリンピック>
男子:宇野昌磨 田中刑事 羽生結弦 (補欠:無良崇人 友野一希 村上大介)
女子:宮原知子 坂本花織 (補欠:樋口新葉 三原舞依)
ペア:須崎海羽/木原龍一 (補欠:高橋成美/柴田嶺 三浦璃来/市橋翔哉)
アイスダンス:村元哉中/クリス・リード

<世界選手権2018>
男子:宇野昌磨 田中刑事 羽生結弦 (補欠:無良崇人 友野一希 村上大介)
女子:宮原知子 樋口新葉 (補欠:坂本花織 三原舞依)
ペア:須崎海羽/木原龍一
アイスダンス:村元哉中/クリス・リード

<四大陸選手権2018>
男子:宇野昌磨 田中刑事 無良崇人 (補欠:友野一希 村上大介 日野龍樹)
女子:宮原知子 坂本花織 三原舞依 (補欠:樋口新葉 本郷理華 本田真凛 白岩優奈)
ペア:須崎海羽/木原龍一 高橋成美/柴田嶺 三浦璃来/市橋翔哉
アイスダンス:村元哉中/クリス・リード 小松原美里/ティモシー・コレト 深瀬理香子/立野在

<世界ジュニア選手権2018>
男子:須本光希 三宅星南 (補欠:壷井達也)
女子:紀平梨花 山下真瑚 横井ゆは菜 (補欠:荒木菜那)
ペア:三浦璃来/市橋翔哉

 オリンピックのアイスダンスに補欠が登録されない。小松原/コレトには残念ながら国籍の関係で資格がない。深瀬/立野はミニマムテクニカルスコアはあるものの、実力不足と判断されたか。
 世界選手権のペアは、須藤澄玲/フランシス・ブードロ=オデを除くと須崎/木原しかミニマムテクニカルスコアをクリアしていない。須藤/ブードロ=オデは全日本選手権を欠場したため、選出されなかったと思われる(欠場の理由が、治療に時間がかかる怪我とかじゃないといいんだけど・・・)。
 世界ジュニアはアイスダンスの派遣予定がないが、全日本ジュニアの優勝カップルあたりは、1月~2月にジュニアカテゴリのある国際大会に派遣されてミニマムテクニカルスコアを獲得できれば、エントリーするのでは?と期待
 連戦になる選手たち、1大会に賭ける選手たち、それぞれコンディションを整えていい状態で臨めることを祈って

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