全米フィギュアスケート選手権2018、女子フリー(ジャッジスコア)。
エミー・マー SP:45.55(18) FS:92.47 合計:138.02
「オペラ座の怪人」♪ 群青色。冒頭のループがパンク、3回転フリップで乱れてトウループが1回転に、ダブルアクセルで転倒。第1滑走で動きが硬かったか。後半3回転ループが決まってから落ち着いてきた。
最後のレイバックスピン、ヘアカッターのとき体を抱えるような腕の使い方がユニークで素敵。
エミリー・チャン SP:44.79(19) FS:59.64 合計:104.43
ビゼー「カルメン」♪ 赤系。シニア全米初出場。最初のループでパンク、手をついたり転倒したり、回転が抜けたりで「回転がかかってないですね」と解説・鈴木明子さん。コンビネーションジャンプなしになってしまった。
ステップの途中で曲調が変わったが、それを動きで表現する感じがなく この曲はあまり合ってなかったかも。
ブリン・マカイザック SP:43.97(20) FS:101.57 合計:145.54
プッチーニ「トゥーランドット」♪ 赤系。名前からはわからないが、明らかにアジア系。こちらもシニア全米初出場。
ダブルアクセル+2回転トウループ+2回転ループ、流れずその場になってしまったが跳べている。フリップ・ループ3-2、後半にループ・トウ3-2、3回転ルッツなど予定通り跳べた。
ステップは丁寧だがちょっとスピードがなく スピンに入るフライング、スピン中のジャンプが褒められていた。
メーガン・ウェッセンバーグ SP:40.90(22) FS:90.83 合計:131.73
「Writings on the Wall」♪ 黒系。007シリーズの曲から。ループ、フリップと安定して跳んでいたが、ダブルアクセルを下りた後の滑り出したところで転倒。後半サルコウで転倒してしまった。
全体のスピードはいいと解説・鈴木明子さん。この曲なら、もう少し自信を持って滑りたいところ。
テッサ・ホン SP:55.82(13) FS:101.04 合計:156.86
「I Love Paris」「パリの空の下」「魅惑のワルツ」♪ パステルピンク、フリルスカート。ロマンチックな曲が似合う、可愛らしいお嬢さん。ミスがあっても笑顔を絶やさずに滑る。
ダブルアクセルから入り、滑らかなステップ、スパイラルからイナバウアーのコレオシークェンス。ルッツで転倒、後半フリップが2回転で転倒。しかし決まったジャンプはきれい。
スピンが「回転速度が上がっていく」と解説・鈴木明子さん。コーチはフランク・キャロル氏。
ケイティ・マクビース SP:48.53(15) FS:76.11 合計:124.64
「シンドラーのリスト」♪ 赤系。最初の3回転ループでオーバーターンしたが2回転トウループをつけた。しかしルッツ、ループ、フリップと1回転に抜けてしまったジャンプが続き 「上体が先に開いて足がついていかないので回転しない」と解説・鈴木明子さん。
滑り自体はオーソドックスできれい。
ヴィヴィアン・リ SP:46.65(16) FS:75.95 合計:122.60
リムスキー=コルサコフ「シェヘラザード」♪ ターコイズとゴールド。くるくるっとターンから3回転サルコウを決めるが、ルッツで転倒、後半トウループ、ルッツ、トウループと転倒が続いてしまった。ダブルアクセルに2回転トウループを頑張ってつける。
コレオやステップ、スピンなどは良かった。ジュニア時代と比べると少しふっくらして、ジャンプに苦労しているかな。
フランチェスカ・キエラ SP:53.85(14) FS:97.14 合計:150.99
「ある恋の物語」「Bailar」♪ ブルー。フリップ・トウ3-2から入り、ルッツはややこらえた着氷。後半にもルッツ・トウ3-2が入ったが、単独3回転のトウループが2回転になったため、3つ目の2回転トウループで無効に
曲が変わったところで手拍子を促し、勢いよくダブルアクセル+ダブルアクセルのシークエンス。踊れる曲でアピールしながらステップでフィニッシュ。
ケイトリン・グエン SP:46.30(17) FS:99.90 合計:146.20
「Alice In Wonderland」♪ ライトブルー。14歳になったばかり、今大会最年少。フリップ・トウ(両手上げ)・ループ3-2-1から。後半ダブルアクセルに3回転トウループをつけたが回転不足。単独フリップやルッツは大丈夫だった。
まだ上体が突っ立っている感じで、ステップは「もう少しエッジが深いといい」と解説・鈴木明子さん。とはいえ、今後伸びそう。
コーチはティファニー・チンさん。
コートニー・ヒックス SP:57.81(11) FS:107.67 合計:165.48
「アメイジング・グレイス」♪ 藤色。ステップから入り、フリップ・ループ3-3に挑んでなんとか下りる。高いバレエジャンプに会場が沸いたが、そこからサルコウを跳ぼうとして抜けて転倒。めげずにルッツ・トウ3-2など頑張った。
じわじわと盛り上がってくる曲で、特徴的なスピンも見せた。
ハナ・ミラー SP:57.57(12) FS:91.57 合計:149.14
「The Hunger Games Trilogy」♪ 黒。スピードに乗って、ダブルアクセル、3回転トウループ+ダブルアクセル、フリップ・トウ3-2など。速い曲に遅れずにスピーディーなステップ、「よく滑れて伸びてます」と解説・鈴木明子さん。
後半までスピードを保ち、スパイラルやバレエジャンプのコレオシークェンス。ジャンプに回転不足がいくつか
キャロライン・ジャン SP:60.29(10) FS:96.09 合計:156.38
「ミッション」♪ ブルー系。フリップ・トウ3-2、ルッツ、トウループと前半のジャンプは順調。一歩一歩音を噛みしめるようにステップを踏む。
後半、跳びたかったループ・ループ3-3だが、転倒してコンビネーションにできず。次のフリップも転倒してしまったが、ダブルアクセル+2回転トウループ+2回転ループ、さらにダブルアクセル+1回転トウループ(2回転だと3つ目で無効になるので)と頑張った。
もしかするとこれが最後? あのパールスピンはもうないが、心のこもったプログラムだった。
スター・アンドリュース SP:62.55(8) FS:127.36 合計:189.91
「One Moment in Time」ホイットニー・ヒューストン♪ 白。自身のボーカル。フリップ、トウ・トウ3-3、ループ・トウ(片手上げ)3-2、サルコウ・トウ・ループ3-2-2など、ジャンプほぼノーミス。キャメルスピンの姿勢がきれいでポジションチェンジが素早い。ステップでも体がよく動いていた。
見事な出来に最後のスピンからもう拍手が鳴りやまず、スタンディングオベーション。終わって顔を覆って嬉し涙。
ジュニア優勝者が国際大会ジュニア年齢に達していないので、この選手が世界ジュニアに派遣される可能性が高い。
アンバー・グレン SP:61.62(9) FS:106.44 合計:168.06
「レッド・バイオリン」♪ 黒から紫。フリップ・トウ3-3、両手上げルッツと出だしのジャンプは良かったが、ループが2回転、サルコウが1回転とミスも出てしまった。
滑りはしっかりと氷を捉えていて安定感があり、最後のコレオシークェンスにはメドベージェワがよくやるスタイラス(足を前から高く上げて回転)を入れていた。
マライア・ベル SP:65.18(6) FS:127.16 合計:192.34
「ウェストサイド・ストーリー」♪ 赤に紫をあしらう。ルッツ・トウ3-3、ループ、サルコウと完璧な前半。後半にダブルアクセル+3回転トウループ、フリップ・トウ3-2、スパイラルからルッツとミスなく続き、ノーミスの期待がかかる。大きなスパイラルのコレオシークェンスで盛り上がる。
ダブルアクセルで惜しい転倒 しかし、よく滑り込んで作品として完成度が高くなっていて、彼女のウェストサイドになっていた。
アシュリー・ワグナー SP:65.94(5) FS:130.25 合計:196.19
「La La Land」♪ 藤色にストーン。新しいプログラムだが、よく知られている曲なので観客もすぐ引き込まれた。ダブルアクセル、フリップ・トウ3-3、ダブルアクセル+2回転トウループ(両手上げ)と、生き生きと決める。後半もフリップ、ループ、ルッツときっちり。唯一ミスはループ・ループ・サルコウが3-1-1になったくらい。
ステップも軽やかで伸び伸びしていて、コレオのスパイラルで会場が一体となった。やはりこの選手、強い
アンジェラ・ワン SP:67.00(4) FS:121.01 合計:188.01
「Experience」「Circles」♪ 紫の濃淡。しっかり氷を捉えながら、フリップ・トウ3-3、ルッツ、両手上げループときれい。後半少し着氷がぎりぎりだったり、サルコウが2回転になったりと、完璧とはいかなかった。
スピンの難しい入り方など、細かい工夫もある。充実した表情でフィニッシュ。
長洲未来 SP:73.09(2) FS:140.75 合計:213.84
「ミス・サイゴン」♪ 赤のアオザイ風。気迫のこもった表情で滑り出し、トリプルアクセル、両足でステップアウト。フリップ・トウ3-3、サルコウとしっかり下りる。キャメルスピンのポジション、「一つ一つが明確です」と鈴木明子さん。
後半にダブルアクセル+3回転トウループ+2回転トウループ、最後に3回転ループを跳んだ。
きりっとした表情で強い女性を演じるステップで、会場から拍手が沸く。大きなスパイラルやイナバウアーのコレオシークェンス。やりきった。
終わった瞬間に涙、会場は総立ち。得点にまた涙、笑顔で手を振った。やった
カレン・チェン SP:69.48(3) FS:129.11 合計:198.59
「ジェラシー」♪ 黒系、髪に赤い花。ルッツ・トウ3-3、フリップと幅のあるジャンプ。後半にダブルアクセル+1回転ループ+3回転サルコウ、ルッツ、ループと力強い。サルコウの着氷が少しふらついた。
Y字姿勢から後ろに伸ばす姿勢のスパイラルは雄大で、会場から歓声が起こる。ビールマンスピンで盛り上がって終わり、こちらも充実の涙。
回転不足があって技術点は下がってしまったが、2位につけて笑顔。
ブレイディ・テネル SP:73.79(1) FS:145.72 合計:219.51
「シンデレラ」♪ 水色。ルッツ・トウ3-3、フリップ、後半ダブルアクセル+3回転トウループ、ルッツ・トウ・ループ3-2-2など、どのジャンプも軸が細くて高さもあって、ミスしそうな感じが全くない。
スピンの回転が速く、ポジションチェンジも速い。長い手足をすっと伸ばすと見栄えがする。全体に所作がきれい。
ノーミスで終わって嬉し涙、文句なしの高得点。昨季、三原舞依が使ったのと同じ「シンデレラ」、ライジングスターに相応しい
結果、ブレイディ・テネル初優勝、長洲未来も200点越えの2位。3位カレン・チェン、4位ワグナー、この2人の点差は小さいのでオリンピック代表選考は揉めるかも 5位マライア・ベル、6位スター・アンドリュース。
最終グループ、見応えあった~~~