フィギュアスケート・グランプリシリーズ2023第3戦、グランプリ・ド・フランス2023が開幕
最初は女子ショートプログラム(ジャッジスコア)。
<G1>
マイア・マザーラ(フランス) SP:45.03(11)
「Rise Like a Phoenix」♪ 赤と黒。冒頭の2アクセルはきれいだったが、3トウでやや乱れて単独に。3フリップに3トウをつけて転倒 転倒しなくても3トウが無効、2トウにしなければいけないところだった。
迫力のある曲に負けないように、力いっぱい動いていた。
住吉りをん SP:61.72(5)
「Blood In The Water」♪ ワインカラーにカラーストーンたくさん。インド風の曲と振付で独特の雰囲気を出す。カッコいいイーグルからの2アクセルでまさかの転倒 3フリップ+3トウ、3ルッツはきっちり決めてきた。きりっと見栄を切ってから入るステップ、手拍子が起こる。スピンでも指先をきれいに見せていた。
レア・セルナ(フランス) SP:58.75(8)
「I Am Fire」♪ ワインカラー。3フリップ、2アクセル、3ルッツ+2トウを決める。よく動けていて、ビールマンからスライディングで出てフィニッシュ。
樋口新葉 SP:60.29(6)
「Never Tear Us Apart」♪ 黒にゴールドのストーン。「Welcome Back WAKABA」を掲げる観客、大きな拍手で迎える。雄大な2アクセル、3ルッツ+3トウも入ったが、フリップが2回転になってしまい スピード感のあるスケーティング、大きなジャンプからぐんと一歩を伸ばすステップでレベル4。
ちょっと悔しい復帰戦になったか。
ロランヌ・シルド(フランス) SP:58.80(7)
「Ojos De Serpiente」♪ ブルーの濃淡。3ルッツ+3トウ、3ループと決めてきた。スピンのポジションがわりと面白い。すらっとした長身を活かした振付はガブリエラ・パパダキス。
ヤナ・イルキネン(フィンランド) SP:39.57(12)
「Flowers」♪ 黒、手袋も。両手上げ3ルッツの後にターンが入ったが、2トウを両手上げで付けた。イナバウアーからのアクセルが1回転になってしまい フリップも2回転で無効に。ステップで観客が励ましの手拍子、足首をホールドするきれいなビールマン頑張る。
<G2>
ニーナ・ピンザローネ(ベルギー) SP:65.74(4)
「Charms」♪ 紺からグリーン。回転の速い3ルッツ+3トウ、足を高く上げてそのまま跳ぶ2アクセルは出るところでイリュージョン。慎重にループを決めて笑顔 足首ホールドのビールマンでフィニッシュ。
帯同するブノワ・リショーも満足げ。
千葉百音 SP:56.59(9)
「Les Yeux Noirs (Dark Eyes) 」♪ 黒レース、スカートは青と赤でバラの模様、手袋にストーン。冒頭のフリップで転倒、2アクセルもステップアウト。後半3ルッツ+2トウは頑張った。細かく音を取りながら軽快に動き、観客の手拍子を誘う。パールからヘアカッター、一気に持ち上げるビールマンは見どころ。
キミー・ルポンド(スイス) SP:50.64(10)
「Voilà」♪ ピンクにゴールド。こんなに背が高い選手だったか 冒頭のフリップで大きくステップアウト、2アクセルは入ったが、3ルッツで痛そうな転倒 キャメルスピンのポジションチェンジやキャッチフットのままイリュージョンなど、工夫がある。
アナスタシア・グバノワ(ジョージア) SP:66.73(2)
「Mojo」♪ ワインカラーのつなぎ。きびきびした動きで、3フリップ+3トウ、2アクセル、後半両手上げ3ルッツとクリーンに決める。肘から先をくるくる回す振付が面白い。のびのびと滑り、レイバックスピンで締めて笑顔。
つなぎって、スカートより滑りやすそう
イ・ヘイン(韓国) SP:66.30(3)
「Seirenes ("Sirens") 」「Haktan Gelen Serbeti ("The Drink from God") 」♪ グレーがかったグリーン。美しい2アクセル、両手上げ3ルッツ+3トウはなんとかこらえた。両手上げ3フリップ完璧。しっかりと氷をとらえるスケーティング、迫力あるステップのラストはジャッジに迫ってフィニッシュ。
イザボー・レヴィト(アメリカ) SP:71.83(1)
「Yarning」♪ ゴールド系。エジプト風?の振付で手首をくねくねさせる。3ルッツ+3トウ、膝曲げイーグルからの2アクセル、後半3フリップと安定している。スピンのI字姿勢、音楽によく乗っているステップから回転の速いビールマンスピンへの流れが良かった。
ルッツの踏切エッジにアテンション、今後の課題かな。
結果、レヴィトが2位に5点差をつけてトップに立ち、2位グバノワ、僅差の3位にイ・ヘイン、4位ピンザローネ。住吉りをん5位、樋口新葉6位、千葉百音9位。
日本勢はちょっと上位と差がついちゃったけど、フリーでどのくらい巻き返せるか
先週の西日本&アイスダンス予選会、シニアのアイスダンス・フリーダンスで、小松原美里/小松原尊組が3点減点された件。スピンの足替えの時の転倒以外で、どこに転倒があった?と悩んでいたら、X(旧Twitter)の書き込み(こちらとこちら)から状況がわかった。
カーブリフトの後、二人で向かい合って膝をつき、男性は一度立ち上がって、駆け寄ってからまた膝をついて二人でスライドした。男性が立ち上がったところで、「2人同時に2秒以上スライディングする」という条件を満たして、コレオグラフィック・スライディングムーブメントがコールされた。その後、また2人で膝をついての動作をしたので、それはスライディングではなく2人とも転倒と見做されたということだった。
この3点の減点がなく、スピンがいつも通りにできれば、おそらく小松原組が優勝していただろう。NHK杯では修正してくると思う。
優勝した吉田唄菜/森田真沙也組、2位の田中梓沙/西山真瑚組は、チャレンジャーシリーズ・ゴールデンスピン(12月6日~9日)派遣が期待できる。ここで四大陸選手権のミニマムテクニカルスコアを獲得すれば、各国3組エントリーできる四大陸に3組フルエントリーも可能
全日本選手権がどんな戦いになるか、、、やはり接戦になると思う。世界選手権代表は、四大陸選手権で一番いい成績を出した組にすればいいのでは
日本の若手カップルたち、早く世界に紹介したい
<追記>
大会派遣といえば、ジュニアの岸本彩良/田村篤彦組が今回棄権した理由は、脳震盪によるドクターストップだったそうだ。これは甘く見ると大変なので、しっかり治してほしい。
そこでつくづく惜しいのが、ジュニアグランプリシリーズに山下珂歩/永田裕人組を派遣しなかったこと。今季のゴールデンスピンはジュニア部門がないので、世界ジュニアのミニマムテクニカルスコアを獲得するチャンスは、年明け1月末~2月初めのババリアンオープンしかない。
ミニマムがなければエントリーはもちろん、補欠登録もできない。“さらあつ”の回復が遅れ、“かほゆう”のミニマムが取れなければ、世界ジュニアに派遣できなくなる。
複数枠獲得まではいかなくても、出場するとしないとでは、翌シーズンのジュニアグランプリシリーズの扱いが変わってくるはず。
ジュニアグランプリシリーズで10位以内に入れば、ワールドスタンディングのポイントが付き、リストに載る。世界ジュニアに出る場合、リストに載っているほうが滑走順で有利だ。
昨季は岸本/田村組がババリアンオープンでミニマムを獲得、來田奈央/森田真沙也組の補欠として登録できたが、今季も同じでいいということなのか?
全日本ジュニアも、その後の扱いも、しっかり見届けたい。
全部見るのはさすがに無理だけど
フィギュアスケートは先週の西日本&アイスダンス予選会に続き、今週は東日本&ペア予選会。グランプリシリーズは第3戦フランス大会(グランプリ・ド・フランス)。そしてチャレンジャーシリーズのデニス・テン・メモリアルも開催されている。
東日本&ペア予選会はFODプレミアム、グランプリ・ド・フランスはテレ朝の配信でそれぞれライブ配信がある。デニス・テン・メモリアルは昨日YouTubeでライブ配信していたので、おそらく今日と明日もあると思われる。
デニス・テン・メモリアルはカザフスタンなので時差は3時間、グランプリ・ド・フランスは時差8時間。
東日本から全日本進出は、男子8人女子5人とけっこう狭き門。ジュニアは男子10人女子11人と、少し多めに出られる。ペアの“さえルカ”清水咲衣/本田ルーカス剛史、“ゆなすみ”長岡柚奈/森口澄士が楽しみ
デニス・テン・メモリアルに日本からは参加していないが、アイスダンスに転向したスウェーデンのニコライ・マヨロフが見てみたい。
グランプリ・ド・フランス、男子はシニアデビューの片伊勢武アミン、島田高志郎、復帰の鍵山優真が出場。女子は住吉りをん、千葉百音、復帰の樋口新葉にも注目したい。
視聴計画立てていかなきゃ