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後から見るのも

2012年04月08日 23時03分18秒 | スポーツ

 世界フィギュアスケート選手権を今頃またテレビで見ている。今日はJ SPORTS 4で女子SP、BSフジで男子フリーを放送。競技当日の地上波放送は見てない部分がある上に録画も失敗してるので、あらためてじっくり見る。

 J SPORTSの解説がジャッジの一人である岡部さんなので、技術的な説明が詳しい。「ボディムーブメントがよい」「1ストローク(1蹴り)が伸びない」といった審判目線の話が面白い。
 スピンでは、姿勢の区分にも言及。同じシットスピンやキャメルスピンの中でも、フリーレッグの位置や体の向きで、フォワード、バックワードなどの違いがある。ちょっと見には同じように上げた足のエッジをつかんでいる姿勢に見えても、体がどっちを向いているかで区別されるわけだ。
 女子のレイバックスピンの中で「ヘアカッター」という単語が出てきた。上げた足のエッジをつかんで頭の近くまで持ってきている状態。ここからビールマンに持っていく選手もいれば、そこまででやめる選手もいる。しかし、ヘアカッターとは見てそのまんまの名前
 ジャッジならではの裏話も。選手用のトイレは必ず特別に作ってあるが、ジャッジ用も観客とは別のところを使うようにするのが普通。ところが今回の会場はジャッジも観客と同じところを使うようになってたので、15分の整氷時間中にすませるには慌ただしく(6分間練習が始まるときには着席していなければならない。)「ジャッジなので・・・」と頼んで先に使わせてもらったとか。
 各国のコーチたちとの話も。韓国のクァク・ミンジョン選手は、ミスなく滑れていい出来だったように見え、本人もコーチもそのときはとても喜んだ。ところがジャンプがことごとく回転不足で、予想を大きく下回るスコア、残念ながらフリーに進めなかった。「後で『あんなに喜んで恥ずかしかった』と言ってました」さもありなん
 予選の順位やスコア、予選後の選手たちのコメントなども伝えられて、世界選手権はメダル争いをする上位選手たちだけのものではない、と感じられる。明日以降の放送も期待

 男子フリーは、競技の時間中は台北で蘇永康のコンサートに酔いしれてたので 動画などで一部確認した以外はちゃんと見てなかった。BSは独自編集だそうだが、放送されたのは第2グループから小塚崇彦、第3グループからデニス・テン、ジェレミー・アボット、羽生結弦。そして最終グループ全員。
 小塚の演技を見ていて、今年はどことなく、“はまらない”感じだったと思う。やはり世界選手権ともなると、いつもどおりにできるだけでは足りず、表彰台に上るには何か爆発的な力が必要な気がする。昨年はその爆発があった崇ちゃんだけど、毎年あるとは限らないものなんだろう。
 4回転を決め、7位に入ってカザフスタンに2枠をもたらしたデニス・テン、力強さと大人っぽさが備わってきた。アボットは表現とスケーティングが美しいだけに、ジャンプさえ決まれば、、、と惜しくてたまらない。
 羽生は動画やニュースで何度も見たが、凄かった。実は捻挫してて「痛み止めを打っての演技」という話を聞いてびっくりだったが、そうと知って見ると、ところどころ細かい動きなどは、いつもほどきっちりはやってないような・・・。それでも最後の3回転サルコウまで決め、終わった瞬間に高々と指を一本差し上げた。お辞儀しながら汗と涙。阿部コーチも涙涙 得点を見て驚く顔に、ふと2年前の世界ジュニア優勝で「すごーい」と手を叩く少年を思い出す。あれがたった2年前。
 最終グループは地元フランス勢から。アモディオのブラジル風味をたっぷり盛り込んだ曲は、しっくり彼にフィットして決まった。
 ジュベールはシンプルにスケートしてるだけで、そこらの若造には出せない色気だが、シンプルなのでそれほど高得点にはならず…。4回転をもう1本入れてたら羽生の上にいけたかもしれないが、演技構成点で羽生を上回れなかったあたり、本人は納得の感じだった。
 リラックスして滑れた高橋大輔のカッコよさを堪能 次はおそらくプレッシャーを感じてたブジェジナ。グランプリシリーズでは優勝も含めそこそこいい成績でファイナルも出たが、ヨーロッパ選手権は4位、世界選手権でも4位が最高。今回はチャンスだと思ってただろうに、羽生や高橋が高得点を出した後で、シーズンベストよりずっと高い点を出さないとメダルには届かない状況になってしまった。来年は4回転2本クリーンに入れられるようになるかな・・・
 この時点で、羽生と高橋の二人が表彰台と決まる。モニターで見ていた羽生は床に寝転がった(笑)
 ジャッジスコアでパトリック・チャンが最後にダブルアクセルで転倒したらしいのを見て、一体何が起こったのかと思ったが、、、ジャンプの瞬間に力が下ではなく横にいってしまったような、、、シングルアクセルのダウングレードという表記の意味が、映像を見てようやくわかった。しかし、Time Violation(演技時間違反)もやってたとは、なんかドジがある人 曲が終わったら、多少振付を変えてでも終わらせてしまわないと危険ということか。
 表彰式。羽生は出てきてお辞儀のところでぴょんぴょん跳びはね、ラストのポーズの真似もしてみせた。そんなところは天真爛漫さを隠さない17歳

 後から振り返りながら見るのも悪くはない。それしかないのは困るけど。


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