
スペイン語で「アル」ではじまる語彙が多いのは、アラビア語から由来したものらしい。1492年に敢闘するレコンキスタ以前はピレネー山脈以西の半島は、わずかのキリスト教領地を除いて、アラビアン・イスラムの支配下にあった。それを追い払ったのがキリスト教を中核とするレコンキスタ、失地回復。レコンキスタ・スペインはアラビアン・イスラムを追い払い、その後レパントの海戦でトルコ・イスラムを追い払うのこととなるので、まさにヨーロッパの尖兵。ローマンばてれんの世俗での守護者となる。これが今に至るまでのキリスト教・ヨーロッパ文明の興隆と陰画としてのイスラム文明の没落への転機となった。
例えば、アリストテレスなんかラテン語訳はギリシャ語から直接ではなく一度アラビア語に訳された定本を踏み台にして、キリスト教・ヨーロッパ文明はギリシャ文化をパクッている。そんなこと今は誰も気にしない。事実、古典西洋屋さんは、古典語としてギリシャ・ラテン語をやるがアラビア語はやらない。
「科学」といううべきかは別に実際的な技術、錬金術から派生した知見、この写真のような建築技術などキリスト教・ヨーロッパ文明はパクッているのだが、知らん顔である。
で、今日は、アルアル、アラビアンのスペインということですた。
ちなみに、写真は、「アル」ハンブラなんて一等地ではありません。念のため。