いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

おふらんすをめぐるアホども

2007年07月17日 22時09分18秒 | ぐち
- - そして、なお不思議なことには、これらの進歩的「近代化」論者たちは、もちろん大学出のその夫人たちをも含めて「悪」の源泉であるはずの当の日本の歴史に全く無知なのであった。 - -

「アメリカと私」、江藤淳



■小谷野センセ風に瑕疵を見つけてはつついてみたい。

斉藤兆史、野崎歓『英語のたくらみ、フランス語のたわむれ』(2004)の中で、野崎歓は下記発言している。

野崎  出口裕弘さんが東大仏文の創始者である辰野隆について本をお書きになってるんです。その中でどうしてフランスが開国日本に対する影響力という点でイギリスに完敗してしまったのを面白く論じていらっしゃいます。要するに、フランスは最後まで江戸幕府に肩入れして、薩長勢力の力を見誤ったからというわけです。「その結果、フランス語で残ったのは午餐会のメニューだけであった」と。そういう展開になって、あとは実学に対する虚の学、制度に対する反逆者の系譜になるんでしょうね。永井荷風をはじめとする、フランス文学にあこがれる文学者たちの系譜です。 


まつがい。

われらが、柴五郎の回顧録、「国軍草創の時代」にはこうある;
 
教官はすべてフランス人にてプーセ教頭のもとに、モンセ、ヴァンサンヌ、ルシェ、グーピル、ルイ等あり。日本人は助手、通弁のみ。

国語、国史、修身、習字などいっさいなく、数学の九九までフランス語用い、地理、歴史など教えるもフランス本国の地理、歴史なり。日本の地理、歴史など教えられることきわめてまれなりしが、フランスの山河、河川、気候など暗記し、問われれば直ちに回答す。これらフランス教官、いかなる人物にてありしか知らず。おそらくは横浜、神戸などに在住の者を採用せるもののごとく、後年、余が大尉か少佐のころ、パリに駐在せるとき、教頭プーセが小さきカフェーを営みおる由聞きたれど、遠慮し訪れたことなし。

余は山口ら二、三人とともに最初級に編入され、ABC(アーベーセー)の発音を習いつつ、一年前に入学せる者のうちにまじりて講義を聴く。
(略)

食事もまた洋食にて、スープ、パン、肉類なり。ただ土曜日の昼食のみ、ライスカレーの一皿を付す。同僚の多くは、この生活を窮屈なりと嘆き、食事を不味しと不平いうも、余にとりてはフランス語以外は、まことにもって天国に近し。


『ある明治人の記録―会津人柴五郎の遺書』

何も柴五郎さんは函館の幕府軍のガッコに入ったわけではない。会津落城後、薩長が企画した斗南の「会津藩士絶滅キャンプ」で死んだ犬を食べていたのを抜け出して、薩長政府の新生軍隊、天皇の軍隊、皇軍のガッコに入った柴五郎15才の記憶である。


柴の記憶だけではなく、新生日帝陸軍は、「幕府により行われた西洋式軍隊創設は明治新政府に引き継がれる。新政府は富国強兵を国策に掲げ、1871年(明治4年)2月には長州藩出身の大村益次郎の指揮で天皇の親衛を名目に薩摩、長州、土佐藩の兵からなるフランス式兵制の御親兵10,000人を創設し、常備軍として廃藩置県を行うための軍事的実力を確保した。」ことはいうまでもない。ウィキペディア(Wikipedia)日本軍

日帝陸軍がフランス式からドイツ式に変えたのは、普仏戦争でフランスが敗れたのを受けて山縣有朋が変えたのである。

上記野崎発言は事実に背を向け「偉大なる先輩」のでたらめな見解を無批判に援用した荒唐無稽なものである。 大丈夫か? これになんら疑問しなかったのは斉藤兆史である。 大丈夫か? 斉藤は過去日本人がいかに英語と切り結んできたかの詳細を知っている。誰がどの時代に英語を使わざるを得なかったかを。 んでも、おふらんす語とぬっぽんずんについては何にも知らないのね。 いつもえらそうに、無教養なわれわれ「実務家」をばかにすているくせに.....。

 このセンセを見よ! 教養を僭称する 専門(自己テリトリオタク)バカ!

大丈夫か? 教養部の語学教師どもの 教養。


■次のおふらんす系あほは樋口陽一センセである。 内田樹センセのブログ記事「リベラシオンの安倍晋三評価」での樋口陽一センセのリベラシオン紙での発言の紹介;
 
6月16日は日本のナショナリズムについて樋口陽一の言論を紹介している。
「日本のナショナリズムは政権党の現在の責任者たちによって掲げられている。日本では極右は政府と政権与党(自民党、その党首は安倍晋三首相である)によって育まれている。政権にあるナショナリストたちは大日本帝国に対する共感とノスタルジーを隠そうとしない。政権の座にある人々が戦前の日本は過去の犯罪について改悛の必要はないと繰り返し断言している。なぜなら、大日本帝国がアジアで展開した戦争は彼らの解釈では欧米の支配からアジア人民を『解放』するための戦争だったからである。」


樋口センセこそが極右だと、おいらは思う。 なぜって、樋口センセの「教え子ども」が、日本国憲法に従って、中国残留孤児裁判とかで国の責任はないと判決しているんだろう。それを安倍ちゃんが行政府としてフォローし、和解。元残留孤児を救済した。「トーダイ」出の法制官僚と安倍ちゃんのどちらがいい人権感覚をしてると思う?

樋口センセの政治音痴ぶりは、いつもワラエルのである。

極右は、おまえだよ、樋口センセ。日帝法制官僚@米帝子分の おっかさん じゃろうに。

 うらやましいじゃないか。