- - それが、ヴェルト近傍の戦闘の砲声とどろく中で書き始められたものとは、誰も夢にも思うまい。 - -
自著『悲劇の誕生』を語るニーチェ、『この人を見よ』より
■今週は米国、それもテキサス関連のニュースが2つ。 本国で相手にされないのか?属領に御漫遊されたのがW・ブッシュさん。小泉さんと負け犬たちのぼやき宴会でも行うのであろうか?
東京ドーム(旧後楽園)の始球式ってのもいいね。共和党を敗北に導く政治的成果を上げたW・ブッシュも「米国ではイラク・アフガン泥沼化への批難が騒がしいが、属領の東京ドームはいつも通りである。私には“声なき声”が聞こえる」とでも言っているんだべか?
ナベツネなんかが胸に正力松太郎の遺影を掲げて最敬礼で出迎えたんだろうか?
(もちろん、後楽園球場での昭和16年12月10日の大イベントを必死で隠して....)
CIAも先行投資の甲斐があったというものだ。
▼W・ブッシュの世界観
おいらが驚くのはW・ブッシュの世界観に日本の自称"保守派"がなんら違和感を示さないことである。W・ブッシュがどんな世界観を持とうが勝手ではあるが、そんな世界観をもった政治家と同伴/従属しているものどもはどう考えても保守派ではないだろう。
W・ブッシュの世界観は極めて単純で、『我々米国は「自由」を価値とする人類最高の価値の持ち主だ。一方、その「自由」を憎むならず者がいる。こいつらは米国に攻撃してくる。だから、成敗すべきだ。成敗した後の彼らは「自由」を知って我々に感謝するだろう。ほれ、日本を見ろ。この典型例だろう。 見ろよ、彼らはアメリカ人と同じようにうれしそうに野球をやっているじゃないか。』
びっくりな単純さだ。 もちろんこの単純な世界観にsupporting evidenceを与えているのが日本の生き方である。「ほれ、日本を見ろ!」。しかし、これは米国には不幸なことであった。なぜなら、イラク人やアフガニスタン人は日本人のようではないからである。核攻撃や空爆をして、占領して、憲法をinstallすれば済んだのは日本だけであった。敗戦60年経ってもまだマックOS@御名御璽付き動いてるぜ! 当然、おいらも「ほれ見ろ!」サンプルだ。感謝している。
そんなブッシュ元大統領は早稲田大学でスポーツ経営について講演したそうだ。やっぱり、引退・廃業したかれはスポーツ冒険家を目指しているのだろう。
●You talkin' to me? No, they talkin' to you !
taxi driver psychoanalyst
復員後 出兵前から
そんな日本御漫遊のW・ブッシュのふるさとでは大変な事件が起きちゃった。米基地で銃乱射、13人死亡…犯人は軍医少佐。ニュースの第一報では容疑者が軍の精神科医であることが知らされた。本人自身米国生まれのヨルダン系のムスリムであるということを知らない段階でおいらはすごく納得してしまった。
背景としてこの基地からこれまでイラク、アフガニスタンに多数の陸軍兵士が遠征し帰還。その帰還兵の少なからずが精神を病んでしまっているらしく、さらには自殺者も多いらしい。
今年夏、NHK BSの番組でベトナム帰還兵の精神病理を扱ったドキュメンタリーを見た。そのベトナム帰還兵は地上戦、それも農村の掃討作戦に従事し、その際ベトナム人親子を銃殺したことで精神がおかしくなってしまった。そのときの「殺害」の場面をカメラに向かって告白している。告白時は薬づけで体が震えている。実はその告白のフィルムはずっと以前のもので、その帰還兵はその後自殺している。このベトナム帰還兵の精神病理の研究でできた用語がPTSD。
つまり、木曜日のテキサス、フォードフッドでの精神科医ハサン容疑者は、このような話をたくさんの精神を病んだ復員兵から聞く仕事についてきたわけだ。テロリスト掃討作戦で、ただの人(無辜=むこ)を殺してきたアタマおかしい兵士がハサン軍医に用があったのだ。心の闇を吐き出したいと。They talkin' to you ! おいらも、NHK BSのベトナム帰還兵の話、女が爆弾を持って走っていたので、すかさず銃撃したら、"爆弾"は赤ん坊で、頭が半分吹き飛んでいた、という告白が夢に出る。こんな話をたくさん聞かされたら、聞かされる側の精神の方がおかしくなっちまう。
他人の痛みがわかる人間になれ!とか説教する大馬鹿者がいる。人間、他人の痛みなんか感じられないから、生きられるのである。他人の痛みをわかる「誠実」な人間はとっくに、テロリストか狂人、あるいは両者になっている。 説教者は他人の痛みをわかっているという自己欺瞞の上に無定見にあぐらをかいているから、そんなのんきなことが言えるのである。
復員精神病者の体験談を反復する精神分析家の方が「アタマおかし」くなってしまう、すなわち、狂信的な者になってしまうのであれば、元来ムスリムのハサン軍医少佐は、「狂信的」なムスリム(イスラム教徒)というわけだ。
■不謹慎ながらハサン容疑者がSgt.らしいので貼りました。彼もlonely heartだったのでしょうか? 別にrepriseしてるわけではありません。
The Beatles - Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)
*1 米基地で銃乱射、13人死亡…犯人は軍医少佐
米基地で銃乱射、13人死亡…犯人は軍医少佐
銃を乱射したハサン容疑者=AP
【ロサンゼルス=飯田達人】米テキサス州中部のフォートフッド陸軍基地内で5日午後1時半(日本時間6日午前4時半)ごろ乱射事件が発生、居合わせた兵士ら13人が死亡、30人が負傷した。
米フォートフッド陸軍基地で、乱射現場に駆けつけた警察官(テレビ映像から)=AP
テキサスの陸軍基地で起きた銃乱射事件について声明を発表するオバマ大統領=ロイター
軍当局者は記者会見で、犯人の少佐は警官に撃たれ負傷し、保護下に置いていることを明らかにした。連邦捜査局(FBI)と州当局が動機などを調べている。
米メディアによると、乱射したのはニダル・マリク・ハサン少佐(39)。精神科担当の軍医で、近くイラクかアフガニスタンに派遣される予定だった。乱射はイラクやアフガニスタンに派兵予定の兵士が身体検査などを受ける施設内で起きた。犯行には自動発射式銃が使われていた可能性がある。
米陸軍では最大規模のフォートフッド基地(約880平方キロ)は陸軍第3軍団が司令部を置き、約3万5000人が駐留。
同基地からはこれまでに1万人以上がイラクとアフガニスタンに派遣されている。ロイター通信によると、イラク戦争が始まった2003年以降、精神的ストレスなどから兵士75人が基地内や周辺で自殺しているという。
FOXニュースは、ハサン少佐がイラク、アフガンでの戦争に反対だったと報じ、精神的に不安定だったとの情報もある。オバマ大統領は5日、「国内の基地で戦火が交わされるとは衝撃的だ」と述べ、徹底調査を命じた。
自著『悲劇の誕生』を語るニーチェ、『この人を見よ』より
■今週は米国、それもテキサス関連のニュースが2つ。 本国で相手にされないのか?属領に御漫遊されたのがW・ブッシュさん。小泉さんと負け犬たちのぼやき宴会でも行うのであろうか?
東京ドーム(旧後楽園)の始球式ってのもいいね。共和党を敗北に導く政治的成果を上げたW・ブッシュも「米国ではイラク・アフガン泥沼化への批難が騒がしいが、属領の東京ドームはいつも通りである。私には“声なき声”が聞こえる」とでも言っているんだべか?
ナベツネなんかが胸に正力松太郎の遺影を掲げて最敬礼で出迎えたんだろうか?
(もちろん、後楽園球場での昭和16年12月10日の大イベントを必死で隠して....)
CIAも先行投資の甲斐があったというものだ。
▼W・ブッシュの世界観
おいらが驚くのはW・ブッシュの世界観に日本の自称"保守派"がなんら違和感を示さないことである。W・ブッシュがどんな世界観を持とうが勝手ではあるが、そんな世界観をもった政治家と同伴/従属しているものどもはどう考えても保守派ではないだろう。
W・ブッシュの世界観は極めて単純で、『我々米国は「自由」を価値とする人類最高の価値の持ち主だ。一方、その「自由」を憎むならず者がいる。こいつらは米国に攻撃してくる。だから、成敗すべきだ。成敗した後の彼らは「自由」を知って我々に感謝するだろう。ほれ、日本を見ろ。この典型例だろう。 見ろよ、彼らはアメリカ人と同じようにうれしそうに野球をやっているじゃないか。』
びっくりな単純さだ。 もちろんこの単純な世界観にsupporting evidenceを与えているのが日本の生き方である。「ほれ、日本を見ろ!」。しかし、これは米国には不幸なことであった。なぜなら、イラク人やアフガニスタン人は日本人のようではないからである。核攻撃や空爆をして、占領して、憲法をinstallすれば済んだのは日本だけであった。敗戦60年経ってもまだマックOS@御名御璽付き動いてるぜ! 当然、おいらも「ほれ見ろ!」サンプルだ。感謝している。
そんなブッシュ元大統領は早稲田大学でスポーツ経営について講演したそうだ。やっぱり、引退・廃業したかれはスポーツ冒険家を目指しているのだろう。
●You talkin' to me? No, they talkin' to you !
taxi driver psychoanalyst
復員後 出兵前から
そんな日本御漫遊のW・ブッシュのふるさとでは大変な事件が起きちゃった。米基地で銃乱射、13人死亡…犯人は軍医少佐。ニュースの第一報では容疑者が軍の精神科医であることが知らされた。本人自身米国生まれのヨルダン系のムスリムであるということを知らない段階でおいらはすごく納得してしまった。
背景としてこの基地からこれまでイラク、アフガニスタンに多数の陸軍兵士が遠征し帰還。その帰還兵の少なからずが精神を病んでしまっているらしく、さらには自殺者も多いらしい。
今年夏、NHK BSの番組でベトナム帰還兵の精神病理を扱ったドキュメンタリーを見た。そのベトナム帰還兵は地上戦、それも農村の掃討作戦に従事し、その際ベトナム人親子を銃殺したことで精神がおかしくなってしまった。そのときの「殺害」の場面をカメラに向かって告白している。告白時は薬づけで体が震えている。実はその告白のフィルムはずっと以前のもので、その帰還兵はその後自殺している。このベトナム帰還兵の精神病理の研究でできた用語がPTSD。
つまり、木曜日のテキサス、フォードフッドでの精神科医ハサン容疑者は、このような話をたくさんの精神を病んだ復員兵から聞く仕事についてきたわけだ。テロリスト掃討作戦で、ただの人(無辜=むこ)を殺してきたアタマおかしい兵士がハサン軍医に用があったのだ。心の闇を吐き出したいと。They talkin' to you ! おいらも、NHK BSのベトナム帰還兵の話、女が爆弾を持って走っていたので、すかさず銃撃したら、"爆弾"は赤ん坊で、頭が半分吹き飛んでいた、という告白が夢に出る。こんな話をたくさん聞かされたら、聞かされる側の精神の方がおかしくなっちまう。
他人の痛みがわかる人間になれ!とか説教する大馬鹿者がいる。人間、他人の痛みなんか感じられないから、生きられるのである。他人の痛みをわかる「誠実」な人間はとっくに、テロリストか狂人、あるいは両者になっている。 説教者は他人の痛みをわかっているという自己欺瞞の上に無定見にあぐらをかいているから、そんなのんきなことが言えるのである。
復員精神病者の体験談を反復する精神分析家の方が「アタマおかし」くなってしまう、すなわち、狂信的な者になってしまうのであれば、元来ムスリムのハサン軍医少佐は、「狂信的」なムスリム(イスラム教徒)というわけだ。
■不謹慎ながらハサン容疑者がSgt.らしいので貼りました。彼もlonely heartだったのでしょうか? 別にrepriseしてるわけではありません。
The Beatles - Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)
*1 米基地で銃乱射、13人死亡…犯人は軍医少佐
米基地で銃乱射、13人死亡…犯人は軍医少佐
銃を乱射したハサン容疑者=AP
【ロサンゼルス=飯田達人】米テキサス州中部のフォートフッド陸軍基地内で5日午後1時半(日本時間6日午前4時半)ごろ乱射事件が発生、居合わせた兵士ら13人が死亡、30人が負傷した。
米フォートフッド陸軍基地で、乱射現場に駆けつけた警察官(テレビ映像から)=AP
テキサスの陸軍基地で起きた銃乱射事件について声明を発表するオバマ大統領=ロイター
軍当局者は記者会見で、犯人の少佐は警官に撃たれ負傷し、保護下に置いていることを明らかにした。連邦捜査局(FBI)と州当局が動機などを調べている。
米メディアによると、乱射したのはニダル・マリク・ハサン少佐(39)。精神科担当の軍医で、近くイラクかアフガニスタンに派遣される予定だった。乱射はイラクやアフガニスタンに派兵予定の兵士が身体検査などを受ける施設内で起きた。犯行には自動発射式銃が使われていた可能性がある。
米陸軍では最大規模のフォートフッド基地(約880平方キロ)は陸軍第3軍団が司令部を置き、約3万5000人が駐留。
同基地からはこれまでに1万人以上がイラクとアフガニスタンに派遣されている。ロイター通信によると、イラク戦争が始まった2003年以降、精神的ストレスなどから兵士75人が基地内や周辺で自殺しているという。
FOXニュースは、ハサン少佐がイラク、アフガンでの戦争に反対だったと報じ、精神的に不安定だったとの情報もある。オバマ大統領は5日、「国内の基地で戦火が交わされるとは衝撃的だ」と述べ、徹底調査を命じた。