いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

筑波山腹、みかん狩り

2009年11月24日 20時01分36秒 | 筑波山麓



初登場、筑波山腹(つくばさんぷく)。

先日の記事で、筑波山でみかんが採れると筑波山麓在住11年目にして初めて知る。そして、みかん狩りができるというので、連休に行った。みかんの種類は先日食べたフクレみかんではなく、普通の温州みかんだった。筑波山フクレみかんは耐寒種だから冷たい筑波山でも育つというだけでもなく,そもそも筑波山腹が温かいらしい。

この筑波山腹のみかん園は日本北限らしい。ちなみに、筑波山麓ではみかん園はできない。理由は筑波山腹の0℃以下になる日数が平野部(筑波山麓)の半分らしい。やはり、筑波山腹は温かい、ということだ。「筑波山腹は温暖なり」。下記、報告がある;

・ Based on an assessment of meteorological observation, conducted by the Mito Observatory for the period between July 1953 and December 1956, the local people began to develope gardens of a mandarine orange, centered around 150 m above sea level, for a tourism site since the 1950's (Gunji 1958).

・ The minimum temperature, less than -2℃, is found at the plain, while the temperature remains above 0℃ around 150 m, which might be a major reason for the development of orange garden in this particular region. The orange trees are very weak against a cold condition. It is known that the trees undergo sever damage if the temperature falls below 0℃.


Observational Study of the Thermal Belt on the Slopes of Mt. Tsukuba

日本語のがあった。

要するに上記引用によると、占領が明けた頃、水戸の気象台は筑波山腹の気象条件を観測して、みかんが育ちそうだと判断した。事実、地表が-2℃以下でも高度150メートルの筑波山腹では0℃以上。0℃以下の条件に弱いみかんもこれなら大丈夫。農家がみかん園を始めましたという話。

あと、これはおいらの空想なのだが、この水戸の気象屋さんはなぜこういう観測をしようと思ったのか?  たぶん、古来からフクレみかんというものが筑波山腹にあるのに気づいて、すなわち、a)一般に高度があがると大気の気温が下がるはずだ、b)一方、筑波山腹に柑橘(かんきつ)類、しかも橙(だいだい)*1が植生しているなんて、びっくり! パラドクスである! と、いうことは、あそこは温かいんだな! でもなぜ? と気付いた(仮説を持った)のではないだろうか?

つまりは、たちばな(橘)が、<<気象予報衛星「ひまわり」>>であった時代である。なんと、優雅なことであろうか!  

野暮だね、アメダス、そして、気象予報衛星「ひまわり」。 立派なデータだすけど。



そして、何より、おいらが知りたいのは、『大日本は神国なり』の北畠親房が、その情宣活動中に筑波山麓で、フクレみかんを果たして口にしたか?ということと、実は筑波山腹は避寒地であったことを知っていたか?ということである。 これで、今夜も正義は護られた?????

▼追加
筑波山周辺地域におけるみかん園の分布

*1;フクレみかんが「橙・だいだい」かどうか?は微妙。結構レモンイエローっぽいし、何より、酸っぱい。

▼追加2
筑波大学 気候・気象学分野 気候システム研究グループ 筑波山 斜面温暖帯の紹介 -筑波山でみかん狩り-