フォルクスワーゲンのディーゼルエンジンで駆動する自動車が、排ガス試験を不正に免れていたとされる事件。
試験時だけ、通常とことなるメカニズムが働き、窒素化合物の排出濃度が低くなるらしい。しかし、「アメリカの環境保護局によれば、普通の走行時は、基準値の10倍から40倍もの有毒物質が排出される」とのこと。
で、おいらが不思議に思ったのは、トヨタ、GM(ゼネラルモーターズ)など競合他社がなぜこの事実を既に知らなかったのか?ということ。
理由は、トヨタ、日産、ホンダ、GM(ゼネラルモーターズ)などなど競合他社は競合他社の車を市場で買って、自社内で徹底分析、調査していないのだろうか?
車は市場で売っている。誰でも買えるのだ。
トヨタなど自動車メーカーは、走行テストはもちろん、排ガスの分析、そして、エンジンの解体、触媒の分析などなど実施して当然だろう。競合他社の競合製品研究のために。
社内で分析調査していれば、VWの車が普通の走行時は、基準値の10倍から40倍もの有毒物質が排出していることが、トヨタなどにはわかることだろうに。
不思議だ。
理論的には、トヨタ、GM(ゼネラルモーターズ)など競合他社がこのVWの不正を知っていたことが考えられる。そして、業界ぐるみで黙認していたと。
でも、現実的にはそういうことはありえないだろう。
そうであるならば、別の視点で事態は深刻だ。なぜなら、トヨタ、GM(ゼネラルモーターズ)など競合他社はまともに競合他社の製品の研究、分析をしていないことになるからだ。
普通、メーカーは競合他社の競合製品を入手して、自社内で、徹底分析、調査するものではないだろうか?
まして、自動車メーカーの研究開発費は膨大で、トヨタ自動車は1社で1兆円を超えるのだ(ソース)。
後記; 報道によれば、検査の時だけ不正モードをソフトが実現するメカニズムは、簡単。コロンブスの卵だった。
排ガス検査は、空回りするローラーに自動車の前輪・後輪を載せる。自動車エンジンが作動して、車軸が回転しても、自動車は動かない。
不正モードになるメカニズムは、タイヤが実際的に作動していない(空回り)ことを自動車が認識して、それで、排ガス検査だと自動車が認識して、不正ソフトが作動してたとのこと。普通、排ガス検査は自動車が走行しないように、台座に載せて、車輪を空回しする。そのタイヤ空回しの状態が、検査時であると自動車が認識できる。不正ソフト作動。不正に検査対応を実現していたのだ。
それにしても、触媒の分析で、窒素酸化物の分解能力は測定・解析できる。トヨタ、GM(ゼネラルモーターズ)など競合他社は触媒を取り出して、反応の能力の調査研究はしていなかったのだろうか?
一方、こういう情報もある;
同協会で輸送・大気規制部門を率いるドロテー・ザール氏は、実験室での試験で記録された排ガスと車が実際に走行した場合の排ガスが大きく異なることは「よく知られていた。誰かが調べるべき問題だった」と話す。(ソース)
よく知られていた現象だったらしい。世界中の自動車業界ぐるみで何か、というのはまんざらの邪推ではないかもしれない。