草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

護憲を政策の柱に据える「左翼政党」は世界で日本だけだ!

2017年06月21日 | 思想家

国会がくだらない議論に終始しているのは、保守であるはずの自民党が矢継ぎ早に政策を出しているのに、野党が有効な対案を出せないことが背景にある。憲法改正についても、安倍首相は不退転の決意で取り組もうとしており、攻めているのは自民党である▼民進党などの野党はあまりにもお粗末である。憲法9条にこだわることで、神聖にして侵すべからざるものとして祭り上げている。現状維持の抵抗勢力なのである。憲法がアメリカに押し付けられたというばかりでなく、社会主義国家を目指すべき共産党にとっては、丸ごと認められる代物ではないはずだ。象徴天皇制を打ち出した第一条から問題視するのが普通だ▼それと比べると、ばりばりの革命思想家であるアントニオ・ネグリの議論は衝撃的である。ネグリが『構成的権力―近代のオルタナティブ』(杉村昌昭、斉藤悦則訳)で述べているのは、本当の意味での革命理論である。ネグリはカール・シュミットの「憲法制定権力」を脱構築し、変革のエネルギーとして「構成的権力」という言葉を世に出した。支配者が「相対的な量的少数者」でありながら、「質的多数性」を保持している倒錯を批判し、「量的多数者」が主導権を握るという主張である。だからこそ、「憲法制定権力」と同じように、「構成的権力」が憲法を根底から変えていく力にもなるのだ▼憲法改正も叫べない革命勢力などというのは、世界中見渡しても、日本だけのことなのである。



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