草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

菅首相が支持されるのは工場で真っ黒になって働いたからだ!

2020年09月24日 | 思想家

菅首相が国民から支持されるのは、普通の庶民と同じように、真っ黒になって働いた経験があるからだ。段ボール工場に2年間勤めたというのは、並大抵のことではない。そのことが政治にいかされないわけはないのである▼「赤い処女」と呼ばれたシモーヌ・ヴエイユは、アンリ4世高等学校から名門の高等師範学校を卒業した。高等師範学校の卒業生には、ロマン・ロラン、サルトル、ベルグソンらがおり、彼女もインテリとして将来を約束された身であった。大学教授資格試験にもパスし、フランス南部の女子中学の哲学の教師となった▼シモーヌはそれに満足せず、女工となることを自らに課した。そこで憤りを覚えたのである。知的労働と肉体労働の差別についても痛感した。一日800個の部品をつくらないと、上役から「明日から来なくてもいい」と怒られもした▼菅首相も同じような目に遭ったはずである。政治の世界に足を踏み入れなければ、その延長線上の暮らしであった可能性が高い。体を動かして汗を流すというのを現代はあまりにも軽んじてはいないだろうか。エリートまっしぐらで、若い頃から甘やかされてきた官僚出身の政治家や、親の後を受け継ぐだけの二世、三世の政治家には理解できないはずだ。国民が期待しているのは、菅首相に一工員としての過去があったからだ。それは人間として尊いことなのである。

 

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