草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

女優竹内結子さんら有名人の相次ぐ自殺の背景にあるもの!

2020年09月27日 | 思想家

女優の竹内結子さんが自殺したことが本日分かった。誰からもちやほやされるスターであるのに、なぜに死に急ぐ必要があったのだろうか▼自殺を論じるのであれば、やはり小林秀雄だろう。小林は『Xへの手紙』において「一度は退屈のために、一度は女のために、今から思えばたわいもない」と書いている。小林自身が自殺しようとしたことがあったからだ▼小林は「人は女のためにも金銭のためにも自殺することは出来ない。凡そ明瞭な苦痛のために自殺する事は出来ない。繰り返さざるを得ない名づけようもない無意味な努力の累積から来る単調に堪えられないので死ぬのだ」との見方をする。「死はいつも向こうから歩いて来る」のであり、いくら彼に会いに出掛けたとしても、「邂逅の場所は断じて明かされてはいないのだ」と明言する▼小林が「退屈」を自殺の要因に考えているのが注目される。カミュは「真に重大な哲学上の問題は一つしかない。自殺ということだ」(『シーシュポスの神話』清水徹訳)と述べているが、やはり小林と同じように、シーシュポスに象徴される果てしない徒労を問題視した。自殺を批判することは容易いが、今の時代の病理が露出しているように思えてならない。「退屈」は文明社会がもたらした病なのだから。

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アメリカにおける保守派の巻き返しはポリコレに疲れたからだ!

2020年09月27日 | アメリカ

アメリカの最高裁判事の人事をめぐって、共和党と民主党との対立が過熱化している。トランプ大統領がギンズバーグ連邦最高裁判事の後任に、保守派のエイミー・バレット連邦控訴裁判事を指名した。これが実現すれば、連邦最高裁の判事の構成は、保守派が6人、リベラル派が3人となる▼指名手続きを行う上院の議席数は、共和党が民主党を上回っており、承認されることがほぼ確実視されている。民主党は、大統領選挙を前にした、駆け込み指名だとして反発をしているが、法律的には何の瑕疵もないだけに、抵抗するにしても限界がある▼極端なポリコレに疲れた人たちがトランプ大統領を支持しているといわれ、連邦最高裁を保守派で固めることができれば、大統領選挙にもプラスに働くのではないだろうか。多様性を重んじるあまり、社会的な混乱が引き起こされているとの見方をするのが保守派である。家族の絆を確認しようとする立場なのである▼福田恆存は『人間・この劇的なもの』において、キリスト教の重要な儀式について、「生命の根源にまで降りていき、自然との合一感にひたるための型」と位置付けた。復活祭などはその典型であった。結婚という制度に教会がこだわるのも、男女の性的な結びつきは自然の営みと合致するからであった。アメリカでの保守派の言い分にも、私たちは耳を傾けるべきなのである。

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