台湾の人々はカネもうけよりも自由と民主主義を選んだのである。昨日投票が行われた台湾の総統選挙で蔡英文総統が再選され、同時に行われた立法院選でも、与党民進党が定数113のうちの61議席を獲得した。これによって台湾は名実ともに自由アジアの一員となったのである▼選挙結果を受けての記者会見での蔡英文総統の発言は立派であった。「国内外のメディアの記者の皆様、お待ちいただき、ありがとうございます。まず、今日投票に行った有権者に感謝します。この選挙への参加は、誰に投票したのかとは関係なく、すべてが民主的な価値観の実践でした」(産経新聞記事)と述べたのである。全体主義国家中共を意識しての発言であった。中共が台湾での経済活動を活発化し、その影響力を増大させているにもかかわらず、台湾の人々は明確な意思表示をしたのである▼ミッシェル・フーコーは昭和53年春に来日し、「現代の権力を問う」という講演を行った。そこでフーコーは、日常生活のすみずみまで監視、管理、訓練、矯正の仕組みを取り込んでしまう「権力の過剰」を問題にしたのだった。人々の心までも支配しようとする全体主義に対して、台湾の人々はノーを突きつけたのである。
応援のクリックをお願いいたします