草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

魔女狩りをしたいだけのマスコミを嗤う

2023年02月28日 | マスコミ評
 旧統一教会を叩いたマスコミは、今度は矛先をエホバの証人に向けつつある。予想した通りである。ただ単に魔女狩りをしたいだけなのである。
 エホバの証人を批判したければ、岩波新書の稲垣真美著『兵役を拒否した日本人-灯台社の戦時下抵抗』を読むべきである。
 軍事力の必要性を訴える僕とは立場を異にするにせよ、我が国におけるエホバの証人の前身である灯台社と、その指導者であった明石順三のことくらいは知っておくべきだろう。戦後になって明石は、エホバの証人と袂を分かったが、その精神は今も受け継がれているからだ。
 灯台社の活動が明らかになったのは、同志社大学の戦時下抵抗グループによってであり、1966年にはじめて発掘されたのである。
 満州事変以後の日本のクリスチャンは、そのほとんどが戦争に協力した。唯一抵抗したのは灯台社だけであった。
 稲垣は「自己の信条に忠実であろうとした灯台社の人々は、戦争に狂奔する国策に背いた廉(かど)で、不敬・治安維持法違反などの罪で問われてことごとく獄に投ぜられ、さまざまな苦難に遭遇し、何人もの殉教者をだした。そのなかの二人の女性は不幸にして獄死し、一人の朝鮮人青年は獄中で拷問のために発狂するなど、数々の受難の歴史をも刻んだ」と書いている。
 その流れをくむ日本のエホバの証人は、戦後は本部があるアメリカからの宣教者に指導され、一部の無教会派クリスチャンも合流し、「この世の終わりが近い」ことを伝道して回っている。日本での信者数は20万ともいわれる。
 世の中全体がカルトになってしまったときに、異端とされる灯台社が与しなかったという事実を、私たちは重く受け止めなければならない。エホバの証人の輸血拒否などが批判されるが、カトリックにおいても堕胎は禁止されており、宗教には、そういった面が付きものなのである。
 オウムのような集団でない限り、特定の宗教団体を槍玉に挙げるような風潮は慎むべきだろう。宗教は、世俗的な権威では裁くことができないからだ。マスコミの煽りに踊らされてはならないのである。

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