安倍首相は官僚政治に屈服したのである。消費増税を行わざるを得ないのは、財務官僚の面子を考慮したのだろう。彼らの支援なくしては、自公政権を運営することは難しいからである。金融庁が年金問題を蒸し返してきたのは、財務省の増税路線を援護射撃するためであって、官僚は自分たちの既得権益を守るのに必死なのである▼安倍首相は官僚政治を打破するために、首相官邸の権限を強化して規制緩和を進めきたが、ここにきて防戦一方である。マックス・ヴェーバーは『職業としての政治』(脇圭平訳)において「自分の行為の責任を自分一人で負う」のが政治指導者であると書いている。官僚に振り回されてはならないのである。官僚は上級組織の命令に絶対服従である。そうでなければ組織自体が崩壊してしまうからだ。政治家には向かないのである▼官僚は組織の維持が最優先され、決断する主体ではない。今のような危機の時代にあっては、政治家としての真価が試されるのである。安倍首相は政治主導を旗印にしてきた。しかし、官僚の抵抗は根強いものがある。最近ではマスコミと結託して攻勢に転じている。目前に迫った参議院選挙は、新しい政治勢力が結集するきっかけにしなくてはならない。反官僚で日本派の政治家であるかどうかを、私たちは見極めなくてはならないのである。
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中国共産党と朝鮮労働党は、もともとは同じ穴の狢(ムジナ)であるから、「北朝鮮」版の
「赤い貴族」の特権生活(1985年頃の)を紹介する。
「特権層に対しては一般庶民が思いもよらない特典が与えられている。その一例として、子供たちの教育を挙げれば、北朝鮮社会がいかに激しい階級社会であり不均衡社会であるかがわかる。
平壌市内の普通江のほとりに建つ南山学校は、党高級幹部級の子弟だけが通う、いわゆる社会主義貴族学校で、幼稚園から高等学校まである。平壌市内の繁華街にある少年宮殿は、党性(家庭の党に対する忠誠心)が強く、可愛くて芸能に素質がある子供だけが通う特殊教育施設である。
南山学校と少年宮殿の子供たちは、一般庶民の子供とは分離され、贅沢な衣食と秀れた環境の中で特別教育を受ける。すべてが特別待遇である。
これ以外にも、万景台革命学院は、いわゆる革命遺家族の子弟が通う学校で、幼稚園過程からズボンに赤い筋の入った軍服を着せ、軍事教育を行い、中佐(中領)の待遇をしている。彼らは品物も局長級以上だけが利用できる“10号商店”で購入するなど、あらゆる物質的な特典を受けている。
松餅(うるち米の粉で生地を作り、あんを包んで半月の形にし、松の葉を敷いて蒸した餅)も知らない庶民や非党員の子供たちと比較すると、このような特殊学校に通う子供たちは完全に別世界に生きている。」(『闇からの谺』崔 銀姫・申 相玉)
「わたしが北朝鮮社会でつくづく感じたのは、金 日成は徹底的に物質(モノ)をエサにして人民から忠誠心を引き出しているということである。完全な配給制のもとに供給体系を10段階に分け、身分によって量と質に差をつけ、少しでも多くのものをもらうための忠誠心競争をさせ、結局人民たちを配給制によって統率しているのである。」(同上)