民主党政権の閣僚というのは、どうしていい加減な発言ばかりするのだろう。藤村修官房長官がTPP交渉に参加したとしても、日本の都合で離脱できるかのようなことを言っていたと思ったらば、舌の根も乾かないうちに、「日米関係を考えると実際は困難だ」と撤回した。だったらば、口にすべきではなかったのである。今の政権のやることは全て二枚舌である。米国に向かっては、ご無理ごもっともとペコペコしているくせに、国民に対しては、詐欺同然のことを喋りまくる。中野剛志が『TPP亡国論』で指摘しているように、TPPに賛成するか反対するかは、避戦か攘夷かの違いなのである。さらに、中野の言葉を借りるならば「事なかれ主義で平和の維持を求めるか、あるいは積極的に国家の独立を維持しようとするか」という路線上の対立である。幕末においても、その路線対立が顕在化したが、平成の世にあっても、その二つの流れが激突しているのだ。TPP交渉に参加するということは、国家として米国に身構えことなく、ただただ服従することである。最初からそのぶざまな姿を国民に印象付けたくなかったために、藤村官房長官も、対米追従派の前原誠司民主党政調会長あたりの尻馬に乗ったのだろう。すぐに言葉が詰まってしまったのは、できもしないことを口走ったからだ。お粗末極まる官房長官ではないか。
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