草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

保守派の一部が岸田擁護に回っても大勢に影響はない

2023年11月24日 | マスコミ評
 保守派のメディアでも岸田擁護派の声が大きくなってきた。それ以前に著名なユーチューバーが手のひらを返したことが話題になったが、それまでの主張がガラリと変わるというのは、あまりにも解せない。
 僕は経済政策の一貫性のなさ、異常なまでの世論迎合、核についての議論を封印した安全保障政策の決断力のなさということからも、間違っても岸田首相に合格点を与えることはできない。
 牧野雅彦氏によれば、ハンナ・アレントはジャーナリズムとアカデミズムについて「ジャーナリズムが、より政治の場に近いところからその時々の事実を伝えるのに対して、政治の場とは明確に異なるところに足場をおいて『事実の真理』の担い手となるのが『アカデミズム』(とくに人文科学)、大学などの研究機関に所属する学者・研究者の集団である」(『ハンナ・アレント』)と位置付けた。
 イデオロギー過剰の朝日や毎日、NHKなどは問題外であるが、メディアの使命は「事実の真理」を明らかにすることなのである。アレントは「自由主義的な立憲国家というのは、体制の安定的な機能のために、メディアなどが中立機関の保護を政治的に選択した体制」(『同』)といった趣旨のことを述べているからだ。
 左翼メディアの反政府批判とは違って、保守的なメディアは事実を伝えることを重視しなくてはならないのであり、いくら必死になって岸田首相を擁護しても、一度失ってしまった国民の信用を回復することは難しいのである。

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