創作日記&作品集

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「わたしなりの枕草子」#296

2012-01-25 07:38:51 | 読書
【本文】
二百五十五段
十月十余日の月の
十月十余日の月のいと明かきに、ありきて見むとて、女房十五六人ばかりみな濃き衣を上に着て、引き返しつつありしに、中納言の君の、紅の張りたるを着て、頸より髪をかき越し給へりしが、あたらし。卒塔婆(そとば)に、いとよくも似たりしかな。「ひひなのすけ」とぞ若き人々つけたりし。後(しり)に立ちて笑ふも知らずかし。

【読書ノート】
上に=頭から被って。→枕の草子・石田穣治訳注。引き返しつつありし=裾をはしょって。あたらし=お気の毒。新しは間違い。→萩谷朴校注。訳注によって違います。「ひひなのすけ」=背の低い典侍さん。遠慮がありません。後ろに立って背比べをする。昔からあったのだ。イヤーナ事を思い出しました。