つれづれなるままに

日々の思いついたことやエッセイを綴る

映画「おくりびと」

2008年09月17日 | 芸能
                     映画「おくりびと」

人は誰でもいつか、おくりびと、おくられびと―――

映画「おくりびと」を観ました。
一見近寄りがたい職業、納棺師に焦点を当て、重くなりがちなテーマを軽快なタッチでつづる。
監督には『壬生義士伝』の滝田洋二郎があたり、人気放送作家の小山薫堂が初の映画脚本に挑戦。

遺体と接する職に戸惑う新人納棺師と、葬儀に集まる多彩な人々の姿を通して、愛する・愛されることの大切さに気づかせてくれるユーモアあふれる感動作「おくりびと」。

リストラされたチェロ奏者・大悟(本木雅弘)はひょんなことから<遺体>と接する職につくことになり、戸惑うばかり! 
しかしベテラン納棺師の佐々木(山崎努)に就くなかで、葬儀に集まる多彩な人々の思いに触れ、いつしか納棺師の仕事に理解を示すようになっていた。
そんな矢先、唯一の家族である妻・美香(広末涼子)は夫の仕事に嫌悪感を抱き実家に帰ってしまう……

全編に流れるチェロの演奏。
主人公である小林大悟が演奏するシーン。
撮影は、残雪が残る山形県酒田市、鶴岡市の庄内地方のロケがまたいいものだ。

「あぁこの広告、誤植だな。“旅のお手伝い”ではなくて、安らかな“旅立ちのお手伝い”。納棺を仕事とする佐々木社長の演技は素晴らしい。
また、同じ事務所社員の余貴美子やお風呂屋の女主人の吉行和子、そして大悟とは橋の上で出会い、風呂屋で交流を重ね、最後は火葬所職員と分かる笹野高史など脇役人がしっかりした演技をしているので、内容の濃さと深さを感じる。

大悟役の本木雅弘は、「しこふんじゃった」で演技開眼した。
この映画でも納棺師の仕事ぶりを格調高い演技で表現している。
今年後半の秀逸の映画であった。

(9月17日記)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする