つれづれなるままに

日々の思いついたことやエッセイを綴る

船橋屋の看板

2021年04月15日 | 飲食店
 船橋屋の大看板が、喫茶ルームに掲げられております。船橋屋の看板は、多くの作品で有名な文豪の吉川英治が書いたもの。吉川英治は、執筆に疲れるとパンに黒蜜をぬって食べるのが好きで、様々な蜜を試したあげくに最も美味だと選んだのが船橋屋の黒蜜でした。このことが縁で、大きな文字を決して書かなかった吉川英治が唯一残した大看板が、ケヤキの一枚板に書かれた『船橋屋』の見事な墨書でした。
 東京の下町情緒が色濃く残る亀戸天神のすぐ側の船橋屋本店は文化二年(1805年)に創業しているのでもう200年以上の歴史のある老舗です。お店の店頭には藤棚があり、藤の花が客を待ち受けているようです。戦後に建てられた建物はそのままに、喫茶ルームがあり大行燈が特徴的な落ち着いた和の雰囲気の店内で名物の「くず餅」を食べました。

(4月15日記)
 


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