ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2011.8.6 第10回かながわ乳がん市民フォーラム参加

2011-08-06 21:21:17 | 日記
 2008年1月の再発転移発覚後、2008年2月に今の病院に転院して以来、この「かながわ乳がん市民フォーラム」に4年連続参加している。
 今年は記念すべき第10回を迎える。4回のうち一昨年を除く3回で、私の主治医が教育講演をされている。ちなみに去年8月7日にも、それまで3年連続で参加してきたことについて、翌日、このブログで報告している。

 毎年この日は、会場近くのホテルに泊って夏休みとドッキングさせている。私が聴講している間、夫と息子は自由に遊んで夕方に合流、何か美味しいもの(たいてい息子のリクエストでお気に入りのイタリアン)を食べて、翌日はこれまたホテルの近くにある遊園地で遊んで帰る、というのが我が家のここ数年の夏休みの定番だった。
 だが、今年は息子がホームステイで不在なので、夫と2人。ちょっと大人の休日(?)を過ごすことになった。

 フォーラムは、予定では1時開始で前半に3人の講演、後半にパネルディスカッションがあって4時終了の予定だったが、パネルディスカッションが長引いて、4時半を大きく回ってお開きになった。
 冒頭の講演は「乳がん薬物療法の最近の話題」と題して、乳がんサブタイプと術後薬物療法、新たな抗がん剤エリブリン(ハラヴェン)のお話。前半、サブタイプについては「乳がんは単一の病気ではない」という前提のもとお話が始まった。ルミナルA、B、HER2、ベーサル(トリプルネガティブ)の4つに分類され、今年の3月のスイス・サンクトガレンの会議によりサブタイプは「ホルモン受容体、HER2、Ki-67」で決めることになったという。それにしても6年半前に私が手術をした当時に比べ、どれだけがん細胞遺伝子情報発現等を把握する技術が進歩したのかと驚く。
 昨年の講演でも、有効な抗がん剤としてエリブリンの承認が待たれる、という話題は出たが、先月19日、日本でも迅速審査により米国に遅れること8か月、欧州に遅れること僅か1か月で保険診療が効くようになったという。実にアップトゥデートの話題だった。
 最後に、アメリカのMDアンダーソンがんセンターにおける患者の10年生存率改善の歩みが紹介された。1944年から10年毎に統計がとられているが、2004年までの60年間で、遠隔転移のある患者の10年生存率は3.3%から22.2%と飛躍的に上昇しているのだ。今後ますます期待ができる、というお話に元気を頂いた。

 続いて精神腫瘍(サイコオンコロジー)医からのお話。乳がん患者の心の痛みから始まってコミュニケーションと心のケア等を中心に幅広く盛りだくさんにお話された。
 3人目は、体験者前谷さんのお話。2003年12月の告知から1年後に肝転移・骨転移。ハーセプチン、タキソール、アレディア開始。その後、卵巣転移。ナベルビン切り替えにより3年間の寛解。再び肝転移・骨転移でゼローダ、エンドキサンに切り替え、三度目の肝転移。昨年より胸壁等にも転移増悪という厳しい病歴・治療歴を持たれている。初発の告知の時は息子さんが生後7ヶ月だったそうだ。息子さんの成長を見届けることができないかもしれないという不安やご両親が娘の逆縁を受け入れられないのでは、というお話には、他人事ではなく胸が締め付けられる思いだった。けれど、客観的に作成された「私のがん闘病を支える“幸せのネットワーク”」という資料を提示され、勇気づけられた。

 後半のパネルディスカッションのテーマは「乳がんになってからの私~変わったこと 変わらなかったこと~」だった。ネットでの事前アンケートにも協力したが、パネルディスカッション前には例年どおりアンケートレビューがあった。自分が書いた答えが取り上げられたりすると、ちょっと照れくさい感じ。パネリストは講演をされた精神腫瘍医、乳腺外科医、がん認定看護師、薬剤師、体験者2名の6名。司会者はいつものように清水先生と読売新聞社の本田麻由美記者のペアだった。

 今日-広島の日-は、朝から久しぶりに日差しが強く暑かった。午後から3時間半の長丁場。副作用の名残りもあり、本調子でなかったので、さすがにちょっと疲れてしまった。海を臨む会場から歩いて5分もかからないホテルに入り、休息。今日のフォーラムには、例年どおりパートナーとともに参加されている方も結構いらしたが、夫は会場まで送りに来てはくれたけれど「気が弱いから一緒には聞かない」ということで帰って行った。精神腫瘍医の先生に言わせれば、家族は第二の患者なのだから、患者本人同様ケアが大切なのだが、何やら申し訳ない感じだ。もっともその間、夫は1人で日本郵船歴史博物館や県立歴史博物館等を見て、有意義に過ごしてくれていたようだ。

 食事前にふらふらと吸い寄せられるように足つぼマッサージ店に入り、2人並んで“痛気持ちいい”を済ませてから、夫の好きな中華街で夕食。

 明日は特に急ぐわけでもないので寝坊をしてのんびり出かけたい。
 こう毎週週末にお出かけをしていては、家事がすっかり棚上げ状態であるのが、ちょっと気になるけれど・・・。

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