明け方早く目が覚めてしまったけれど、目覚ましが鳴るまでベッドでぐずぐず。もう出勤しなくていいんだなあ、と暫し感慨にふけりながら夫を送り出す。
朝ドラを視ながらゆっくり新聞を読んで朝食を摂り、洗い上がった洗濯物を干す。久しぶりに太陽が顔を出してくれたけれど、思いのほか気温は上がらず、家の中はなんとなくうすら寒かった。ついこの前まで枯れ木だった木からは若芽がぽつぽつと芽吹き始めている。新しい春なのである。
さて、これからの生活、たとえどこにも行かなくてもまずは今まで通りの時間に起きなければ、と思う。夫は寝ていていいよと言うけれど、体調が悪い日はさておき、なんでもない元気な日にそれをやってしまったら、どこまでもずるずると落ちていきそうな気がする。
そして、少しずつでもいいから家の片付けを進めたい。目標は他人様をお招き出来るくらいの綺麗さに。紙類を初め、色々なモノが多すぎるのですっきりさせたい。これからは我儘かもしれないけれど、好きな物だけに囲まれて生きていきたい。一気にやると一気に嫌になりそうだし、とても体力が持たないだろうから、少しずつ少しずつ。断捨離とまではいかなくても、今まで手を付けられなかった部分もどうにかしたい。これは終活にも繋がるだろう。
治療後寝込む日を除き、ヨガのクラスがある日は午前か午後、どちらかに必ず通いたい。これで家に引き籠ることはない。今までは、平日は夜のクラスにしか出られなかったけれど、夫が出勤の日は夕食が遅くなるしドタバタするので、それは避けたいと思う。たまたま今日はスタジオが閉館なので、その代わりにお散歩に出ようと思っていたけれど、あっという間に夕方近くになってしまった。
と、志はそれなりに高くありたいと思うのだけれど、結局今日出来たのは朝、洗濯を干して、午後に畳んで、夕食の支度をしてお風呂を洗って。後任から届いた問い合わせのメールへ返事をし、退職祝いを頂戴した方たちへの御礼の手配と日曜日の瞑想ヨーガクラスのレッスンプランを考えただけ。
あとはなんとなく撮り溜めたドラマをずるずると2本ほど観て終わってしまった。つまり一歩も外に出ずじまい。
仕事に出ていればもっと色々やっている筈なのに・・・、と思うけれど、まあ最初から焦ってみても仕方あるまい。ペースをつかむまでは最初からエンジン全開には出来ないだろう。
まだ定年という節目が遠い未来だった頃、仕事を辞めたら、あれもやろう、これもやりたいと夢は膨らんでいた。図書館に通って毎日好きな本を読んで、陶芸を始めて、長い海外旅行に出かけて・・・エトセトラ、エトセトラ。
けれど、病気になったことと、更には新型コロナウィルスの出現で当時は全く予想もしていない世界になってしまった。
図書館にはついぞご無沙汰である。不特定多数の方が触るリアルな本や雑誌は敢えて触りに行かなくても良いと思うし、かといって電子書籍にはなんとなく抵抗がある古い人間である。手指の痺れがあり、皮膚も爪も弱くなっているので、土でかぶれそうな陶芸も厳しそう。いわんや長い海外旅行をや。続けられそうなのは最寄り駅前のヨガスタジオに黙々と通うことと、夫と近場の旅行に出るくらいだ。