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少子化とマクロビオティック

2005-10-23 12:54:59 | 出版記事
少子化が社会問題として浮上しています。少子化はいまや国の存亡にすら関わる事態です。少子化はある日突然絶壁から落下したような打撃を社会に与えることと思われます。ですがその時となっては最早遅いでしょう。2億の人口が1億になるのにかかる時間と1億が5千万になる時間とは同じではありません。少なくなればなるほど滝の水が落下するように減っていくのです。目前にならなければ分からない庶民に代わって政治家たるものが手を打たなければ一体誰が何をするというのでしょうか。子育ての保育所を増やすなどと言うごまかしのようなことではどうにもならないと思います。

個人が一人一人できることとして、マクロビオティックの食の提案は少子化にも大きなヒントを示しているように思います。地球上の生物はみな生殖活動をしていますが、珊瑚の放卵と言うのでしょうか、地域の珊瑚が一斉に卵を生み出す映像をテレビで見たことがあります。その卵を食べるために沢山の動物が寄って来るのですが、食べられても食べられてもちゃんと珊瑚が残っていけるような仕組みが出来上がっています。いたいけな子亀の孵化もそうです。海に辿り着くまでには鳥の餌食となり、海では魚の餌食となります。それでも亀はちゃんと亀の個体数を自然の中で維持できるようになっています。草食動物は一定の範囲に生息可能な個体数が食によって決められており、肉食獣にはもっと過酷な個体数が自然の掟です。ライオンなどはオスによる子殺しも現実ですし、それは猫の社会にも見られることです。

自然界では子供の数は生理で決められています。それが自然の秩序を維持しているのは既知のことです。では生理は何によって規制されているのでしょうか。進化の仕組みを考えれば、食によってであることは疑いようもありません。肉食獣はたくさんの個体数を育てられない生理機能になっていまです。それは1頭の食の確保に広い面積を必要とするからです。だから肉食獣はテリトリーを持っているのだと思います。人間が肉食傾向になれば、人間の精神を含めた生理傾向も当然そうなってくると思います。人体は地球上の生物の掟の上に立っていることを忘れてはならないと思います。

もちろん環境ホルモンの所為もあるでしょう。それは食の累積によって食の上位にあるもの程影響を受けるのです。原因物質の問題も当然あると思います。これは人間による地球環境汚染の問題です。地球環境を人間社会のわがままが破壊しているのです。この自然破壊は生理上の影響とは別にダブルパンチとなっていると思います。

マクロビオティックの食の提案は、人間が地球上でどのように生きていくかと言う提案です。人間が目指しているものは何か、私達は何を知りたいのか、どのように生きていきたいのか、死後どうなるのか、なぜこの地球に生まれてきたのか、私達は一体何なのか、マクロビオティックはこういったことを知るために食べて生きていく道を示しています。

古い予言の書に、子供が生まれなくなると書いてあるそうです。昔は考えられない事態でしたが、現実に広がりつつあります。自分たちの生活を見つめなおして、食というものが如何に生命活動の中心であるかを深く認識したいものです。食に関わる社会活動が、単に経済活動ではなく、生きることそのものであるという共通認識の上に、私達の社会を築いていきたいと思います。正しく食べることが、正しく生きることです。マクロビオティックを、たくさんの人が実践してくださるといいなあと思います。
コメント (1)
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