大画面テレビになってから、だんだん劇場で映画を見なくなったが、
3Dテレビはまだしばらく普及しないと思うので、「アバター」を見てきた。
わたしは普段からめがねを掛けているので、3Dめがねはその上から着用することになる。
ところが試してみると、めがねが重過ぎ、ふたつがうまく重ならなくて、ずれてしまう。
劇場の係員にたずねたら、めがねふたつを留めるクリップを300円で販売しているという。
でも、わたしはめがねのつるを固定すればだいじょうぶだと思ったので、
係員にセロテープをもらって、左右のつるを留めた。これでOKだった。
3D映像は、最初見たとき、ステレオグラムみたいだと思った。
つまり、なめらかに奥行きがあるのではなくて、遠景、中景、近景とわかれているのだ。
ちょうど人形劇の舞台のよう。背景があって、その前に人形の通り道が2列ほどあるやつ。
前にアイマックスシアターで見た3D映像はそんなふうではなく、
奥行きがもっとなめらかなうえ、はるかに深度があって、驚異的だった。
システムがちがうのだろうか。
映画では、はっきり3D映像だと意識される場面はそれほど多くはなく、
これならほかの3D映画はうちのテレビでもいいか、という気になった。
劇場で見ることがだんだん減ってきたのには、テレビが大きくなったほかに、
一部の観客のマナーが悪いのにうんざりしたせいもある。
これまで出会った最低の観客というのは、こんな男だ。
「アメリカン・ビューティー」のラスト近く、もっとも肝心な場面でケータイを鳴らした。
それだけではない。いちおう席を立って後ろへ行ったのだが、劇場の外へは出ずに、
そこで話を始めたのだ。観客全員に内容が聞こえるくらいの声で。
電話は会社からだと思われた。彼は今○○に来ていますと言い訳していたが、
その地名は岐阜県のもの。だが、その劇場は愛知県にあった。
こんな社員を雇っている会社がどこか、知りたいものだと思った。
もちろん、映画はすっかりスポイルされてしまった。
わたしがその映画を見るのは数度目だったので、まだよかったが、
ほとんどの人は初めてだったろうから、災難としか言いようがない。
そうそう、「アバター」だが、肝心のストーリーは、まずまず楽しめた。
SF的には目新しいテーマではないが、アバター生物のビジュアルがきれい。
3時間が長いとは感じず、ぜんぜん退屈しなかった。