(びんしょうにかけ どんちょうにほし アブうたる)
お盆に、我が家にやって来た小学6年生。朝食の最中、突然「ああ、足に何か虫がいる」と叫び出し、「ああ、いたたた、痛い!痛い!痛い!」と悲鳴を上げだした。彼のおじいさんとおばあさんは、彼を見てキョトンとしていた。
テーブルの下に隠れていて少年の足が見えなかったので、私は座椅子のまま彼を引きずり出して足を見ると、アブだった。瞬時に掌でアブを打ち殺した。一茶に「やれ打つな蝿が手を擦る足を擦る」というのがあるが、アブに刺されるとめっぽう痛いから、そんな暢気なことは言っていられない。刺された少年の足には、一滴の鮮血が球状になっていた。
それで驚いたのは、都会に住む少年はアブを知らないのだ。又、足に虫が這っている時、少年は見ることもせず対処もせず、唯泣き叫んでいることだった。
という私も、実は昨日薪を割っていて、アブに刺され悩まされた。手は塞がっているし、アブの飛ぶ音も薪割機のエンジン音で聞こえないので、早々仕事を切り上げた。「明日は、長袖に替えて首にタオルを巻かねばならない」
キョウチクトウ(夾竹桃)