山崎ていじさんは今回初めて取り上げる歌手です。プロボクサーから演歌歌手に転身したという異色の経歴の持ち主で、現在61歳とのことです。
彼に注目したきっかけは、1月23日に発売された新曲『浜防風』のタイトルでした。防風といえば防風林のイメージがあるので、演歌のタイトルにはそぐわないように思ったのです。実は私の知識不足で、これは植物の名前でした。海岸の砂地に生えるセリ科の多年草で、夏に白い小花がたくさん咲くそうです。
この曲は、潮風に負けず砂地に根を張る浜防風の強さが自分にもほしいと願う、孤独な男の歌で、作曲は弦哲也さんです。作詞は、さわだすずこさんという方で、これまで山崎ていじさんの曲を多く作詞されており、他にも福田こうへいさんの『母ちゃんの浜唄』など男歌が得意のようです。
特に印象的なところは「やってられないよ」のフレーズで、ここで主人公の孤独感が一気に吐露されるので、カラオケでも聴かせどころとなるでしょう。
彼の歌唱は適度に渋味をきかせて、いい味わいがあります。年齢を重ねた男性の持ち味をいかして頑張ってほしい歌手です。