長保有紀さんの10月7日発売の新曲『思い出に抱かれて』には二つの大きな特色があります。一つは歌謡バラードであること、もう一つは浪花もので大阪弁の歌詞であることです。
彼女は大阪府高石市出身なので、浪花ものはお手の物と思いますが、これまでそんなに多くはなく、しかも大阪弁の歌詞となると初めてのようにも思います。
これは浪花ものと言っても大阪の地名は出て来ず、心情的に大阪弁での表現がふさわしいとの意図があったようです。
キャッチコピーに「大人の艶と粋を感じさせる」とある通り、彼女の艶っぽさと粋な持ち味にぴったりの曲と言えるでしょう。
内容は、好きな男性の元を別れも告げずに去って行く女性の心情で、まさに彼との思い出に抱かれてこれから生きるというもので、タイトルがうまく工夫されていると思います。
歌詞の大阪弁について一つ細かい点を言うと、ラスト近くの「目を見てきっと 言えへん私」は「言うことができない」の意味なら「言われへん」になるはずで、この歌詞だと京都弁みたいですが、まあこれは納まりがいいからかもしれません。
それはともかく、哀愁ただよう、胸にぐっと来るメロディーの歌謡バラードで、また彼女の魅力の一面を存分に味わえる素敵な曲です。
これまで彼女の曲にあまり関心のなかった歌謡曲ファンにも是非おすすめしたい曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=9x7uDhW8XZQ