今回はベテランの女性演歌歌手、服部浩子さんです。彼女のイメージはマイナー調の王道演歌といったところで、これまであまり関心を持っておらず、このブログでも彼女の曲を単独で取り上げてはいませんでした。
9月28日に発売された新曲『夜雨抄(よさめしょう)』も正直なところ、またいつもの感じかなと予想していたのですが、改めてじっくり聴いてみて、これは全然違うぞと驚きました。
作曲は歌謡曲づくりの名手の杉本眞人氏で、この『夜雨抄』は杉本色いっぱいの趣がある、フォークテイストの歌謡バラードなんですね。
また作詞は女性の微妙な感情表現に長けた朝比奈京仔氏で、このコンビによる曲が素晴らしいのも納得です。
とにかくメロディーがいい感じで、そこにうまく歌詞をのせて語りかけていく、一度聴いたら強く印象に残る曲です。
内容はちょっと複雑で、女性主人公が恋する相手は、妻か恋人を亡くしていて、そのことによる感情の揺れといった微妙な心情を描いています。
服部浩子さんにとっては初めてとなるタイプの曲とのことですが、実にうまくこの曲の感性を歌い上げています。
これまで彼女に関心のなかった方にも是非聴いてみてほしい、おすすめの曲です。