新年早々、元日に能登半島の大地震で大変な被害が出て、新年のご挨拶も控えておこうという気持ちになりますが、今年も遅ればせながらどうぞよろしくお願いします。
我が国の目下の音楽コンテンツでの演歌・歌謡曲の世界は、ますます影が薄くなっているような印象は否めません。しかしながら、聴いて心が安らぐのはやはり演歌・歌謡曲だと思います。
数年前まではJ-POPも結構聴いていた私ですが、正直なところ、最近はもう聴く気がしなくなりました。
今年もいい演歌・歌謡曲がたくさん出てくることを期待しつつ、このブログを続けていくつもりです。
ところで、年が明けて今月に発売される新曲はたくさん控えていますが、今回は昨年に発売された新曲で、まだ取り上げていなかったものにしました。
男性歌手が4人続いた後は久しぶりの女性歌手で、川野夏美さんの10月25日に発売された新曲『裏窓の猫』です。
川野夏美さんという歌手を初めて知ったのは、ちょうど20年前で、若手演歌歌手として頑張っている頃でした。それまでは若手らしい威勢のいい曲が多かったのが、大人の演歌路線にシフトした時期でした。
10年ほど前からはメロディアスな歌謡曲で女心を歌う路線がすっかり定着した感があります。
さて、新曲の『裏窓の猫』についてですが、まずユニークなタイトルだなと思いました。そもそも猫が出てくるのがめずらしい。しかし、ここでの猫は実際の猫ではなく、自分の心の中にひそむ本心を象徴したものです。
曲の内容は女性主人公が失恋の悲しい心情を歌っていて、表向きの感情とは裏腹の未練心が顔をのぞかせる、それを「心の裏窓にいる猫」が「みつけて欲しくて」「帰ってきてよと」「哀しく小さく」、「ミャアと鳴く」と表現しているわけです。
大変面白く工夫された歌詞で、すごく印象に残ります。作詞は多くの名曲を書いているベテラン、石原信一氏です。
作曲はこれもベテランの大家、徳久広司氏で、メロディーは三連符を多用して、印象的なものに仕上がっています。イントロでため息のような女性のスキャットが入るのも効果的です。
川野夏美さんにとっては、これまでにない新しいタイプの曲として飛躍のきっかけになりそうな感じがします。
カラオケでもきっと評判になると思いますので、多くの方にチャレンジしてもらいたい曲としておすすめします。
https://www.youtube.com/watch?v=n2nAfbIc4I8&list=RDn2nAfbIc4I8&start_radio=1