深夜2時頃、トイレに起きて居間を通ると、机の上で何かが動く。ああ、あいつだ。忍び足で殺虫スプレーを取りに行き、電気をつけて正確な位置を特定し、スプレーを吹きかける。確実に命中したのだが、あいつは床を落ちてそのまま走る。私もスプレーを噴射し続けながら後を追う。しかし、結局あいつの動きを完全に封じることはできず、棚の裏へ逃げられてしまった。このスプレーは強力だから、あれだけ浴びればおそらく致命傷を負ったことは間違いない。後は棚を移動して亡骸を探すだけだが、深夜に居間を走り回ったことで妻も起きてしまったので、後回しにする。妻は状況を察知し、テーブルや床の掃除を手伝ってくれた。
久しぶり(引越直後に1度遭遇して以来)の格闘でアドレナリンが放出され、すぐには眠れなかった。しかし、今日は朝一で弟一家の引っ越しのお手伝いに行かなければならない。
6時起床。身支度を整え、6時半過ぎに家を出る。良い天気だ。引っ越し作業の日は天気は良いほうがいい。
新横浜から上りの始発の新幹線に乗る。三島始発のこだま号で、朝一番の列車なのでそんなに混んでいないだろうと思いきや、車内はほぼ満席で、私は何とか座ることができたが、通路に立ち客も出ていた。みんな、サラリーマンだ。こんな朝早くから通勤している人たちがこんなにいるのかと驚かされる。
東京駅で宇都宮線に乗り換え、さいたま新都心駅へ。待ち合わせの時間まで余裕があるので、駅前の「カフェタマ」で朝食をとる。「食を通じて埼玉の地域生産品や地域の魅力等を発信する」というコンセプトを掲げているお店だそうだ。メニューを見ると、確かに狭山茶や毛呂山町の柚子蜜ドリンクなどがあった。
注文は、モーニングでスクランブルエッグ、ベーコン、チーズ、ほうれん草のサンドとほうじ茶。他にも、かなり凝ったモーニングのメニューが並んでいた。値段も、一番高いものでもドリンク込みで500円。具だくさんだし、この値段でこのサンドが食べられるのはありがたい。
せっかくなので、狭山茶を使った抹茶ミルクも注文していた。狭山茶の特徴がどのような味なのかはわからないが、お茶の香りがしっかりとして、美味しい。
改札前で、母と義妹を待つ。時刻は8時半。ちょうど、出勤の人たちで賑わっている。
今回の引っ越しには色々と事情があって、弟一家のプライベートなことなのでここでは割愛するが(別にやましい事情ではない)、弟も義妹も搬入に立ち会うことが難しいので、母と私がフォローすることにした。
母と義母と合流し、さっそく新居へ向かう(旧居からの搬出は昨日済んでいる)。思っていたよりも駅から近く、その割には閑静な住宅街で、落ち着いて暮らせそうな雰囲気である。9時に引越屋さんが到着して搬入が始まり、ガスコンロが大きすぎて所定の場所に入らないというトラブルこそあったが、それ以外はスムーズで2時間も掛からずに終了した。義妹が出掛けてからは、母と2人で作業を進める。
昼食は、北与野駅近くの蕎麦屋「たぬきや」で。母はきつねうどん、私は親子丼とお蕎麦のセットを注文。私はお蕎麦の味の違いはよくわからないのだが、親子丼が美味しかったから、きっと良いお蕎麦屋さんなんだと思う。
午後は、ガスの開栓や新たに購入したテレビ等の搬入、洗濯機の設置などの立ち会いが続く。東京ガスの方もチャレンジしてくださったが、やはりギリギリのところでコンロは入らなかった。立ち会いを終えてからは、さいたま新都心のヨドバシカメラへ行って足りないライトや備品等を購入する。
午前中にどうしても休めない仕事があった弟は、職場から市役所へ直行して諸々の手続きを完了させてから合流。少し特殊な手続きが必要となって、帰ってきたのは18時を回っていた。お疲れ様でした。
夕食は、出前でお弁当をとった。私は、ビーフカツ弁当を選んだ。母はチーズハンバーグ(デミグラスソース)弁当、弟夫婦はすきやき弁当。予定時間より結構遅れて配達してきたので印象は良くなかったが、味は美味しかった。
食事を終え、帰途につく。駅で解散し、私は高崎線と東海道新幹線を乗り継いで、21時半過ぎには自宅に帰ってきた。それほど重労働をしたわけではないのだが、ちょこちょこと動き回っていたのでクタクタだ。ただ、引っ越しのお手伝いは楽しい。自分の新居ではなくても、新生活を始める感じがワクワクする。